DVDにて。

原題:そのまま
公式予告
https://youtu.be/8pCkbP1OvoQ?si=qLzXAPMz4kwQL-Db
【あらすじ】
郊外にある静かな街で、ある水曜日の午前2時17分、同じクラスの17人の子供たちが家を抜け出し暗闇に向かって走り出す。そのまま姿を消した子供たち。残されたのはそのクラスの担任のジャスティンとアレックスという男の子一人だった・・・。子供たちはどこへ消えたのか、アレックスだけ残されたのはなぜか、ジャスティンが失踪事件の犯人なのか。当たり前のように疑いの目を向けられたジャスティンだったが、アレックスが気になり話しかけようとする。息子がいなくなった父親、アーチャーは、自分なりに息子を探そうとするうちにあることに気づく。しかし、街は少しずつ得体のしれないものに包まれていく・・・。
【感想】★★★★★
面白そうだなと思って楽しみにして見たら本当に面白かった。映画館に見に行きたかったけど、行けなかったので仕方なくDVDで。上質なホラーはミステリー要素を含むっていうけど、それのお手本みたいな感じ。途中までミステリー要素が強いように思う。
事件の概要が説明された後、登場人物の視点で事件後の様子を描いていくのだけど、その手法が面白い。だんだんと何があったかわかってくる。ただ、時間が前後するのでそういうのが苦手な人はしばらくしんどいかも。グロいシーンもあるし、ジャンプスケアもあるので注意。そして、見ているうちにタイトルの意味もわかってくる。
死霊館も面白かったけど、ミステリー好きな私としてはこちらの方が好きです。まだ半年経たないけど、今年一番かもしれません。
話はどことなくハーメルンの笛吹男を思い出させますが、街の大人たちがだれかとの約束を破ったわけでもなく、完全に被害者です。
一番かわいそうなのはやっぱりアレックスとジャスティンかな。アレックスは賢くてかわいいのですが、やはり子供なので太刀打ちできないのがもどかしかったです。
ツッコミどころは多々あるのだけど、ホラーだし、それはそれでコメディっぽくていい。これの前に見た作品がいまいちだったのでいい口直しになりました。
この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。
文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。
まず、ジャスティンが保護者達から責められるのが見ていて辛かったですね。彼女も被害者なのに・・・。学校からいなくなったのならともかく、家からいなくなってるのに彼女のせいにされるのはかわいそう。アーチャーが車にWITCH(魔女)と書くのも大人げない。最終的にはタッグを組んでアレックスの家に乗り込んで行くし、ガソリンスタンドでジャスティンを助けてくれるのでなんとかプラマイゼロってところです。
彼が息子に「ずっと言ってなかったけど愛してる」って夢の中で言うシーンで、その息子のマシューがアレックスをいじめてる原因というか、背景はその辺なのかなって思いました。アメリカでは子供たちに、ことあるごとに「愛してる」って言う文化があるので、言われないと子供の心がねじれてしまうのかもしれません。ちなみに私は、映画を見終わるまで、マシューは女の子だと思っていました。だって髪が長くてかわいいんだもん。
犯人は登場するとあっけなくわかるんですが、最初から異質な雰囲気をまとってますね。彼女はきっと、アレックスの本当の叔母ではないのでしょう。家族に寄生し、少しでも長生きしようとしている悪魔か魔女です。寄生菌や寄生虫の話が作中に出てきて、それを示唆するんですが、身勝手にもほどがあります。それにしても、アレックスの両親や子供たちをあんな風にして、ご飯はアレックスが食べさせてますけど・・・食べて消化してしばらくしたら・・・ねぇ?そっちの世話はどうしたんだろうと気になってしまいました。
アレックスは警察にあれこれ尋問されただろうに、ちゃんと黙ってることができてすごい。親を人質にとられてるとは言え、耐えられなくて何もかも話してしまうのが子供だと思います。
校長先生もかなりの被害者ですね。なぜかゲイ描写がありましたが、恋人をあんなふうに殺して最後は車に思いっきり轢かれる。でも、車に轢かれて、頭だけがぐちゃぐちゃなるってありえない。思いっきり身体ごと轢かれたのに。と、ここもまた気になってしまいました。でも、彼の犠牲のおかげでアーチャーとジャスティンがアーチャーの家が鍵だということに気づくのですね。
その後から、怒涛の展開になって、最後はアレックスが子供とは思えない賢い方法で解決(?)するんですが、その前の母親が扉を破るシーンはシャイニングを思い出させました。叔母さん、追いかけられてるとき、すっごい必死に走ってるけどめっちゃ元気じゃない?死に物狂いで走れば死期が近くても早く走れるんだなぁと変な風に感心しました。監督は、最後は笑わせたかったそうです。確かにちょっと面白かった。でも、窓ガラスってあんなに簡単に、ガシャンガシャン割れる?
子供たちはすごい勢いで叔母さんに喰らいついていくけど、その姿はもう完全にゾンビ。どうやって撮ったんだろう。演じてた子供たちは大丈夫だったかなって心配になるくらいのシーンでした。
それにしても警察もFBIもポンコツですね。映画あるあるですが。チャイムに防犯カメラがついてる家が多いので、全部の録画を回収して調べればアレックスの家に向かってる子供たちの姿が映っているはずです。
それから、最初にナレーションで「子供たちは二度と帰ってこなかった」って言うのですが、無事に帰ってくる。「嘘つかないで・・・」って思いましたね。アーチャーやジャスティンにとってはハッピーエンドでよかったですけど。
見終わった後に、実はアレックスが犯人だったっていうある意味バッドエンドなストーリーを思いつきました。いじめられたアレックスは、叔母が持ってきた黒魔術の本に興味を惹かれます。ひどい目にあった日、耐えかねたアレックスはクラスメイトの名札を持って帰り、黒魔術を実行してしまう。両親に問い詰められて、仕方なく両親にも黒魔術を使う。あれこれあって、警察にバレるが、黒魔術を行ったのは叔母だと思われ、連行されるのはアレックスではなくて、叔母。アレックスは親戚に引き取られるが、その先の学校でもいじめにあうようになる。相手を後ろからにらみつけるアレックス。いじめた子供の忘れ物を手に入れて、にやっと笑うところでエンド。どうでしょう?
つっこみどころは尽きないですが、面白かったので全部ありでいいと思います。続編も作られるようなので、面白そうなら見ようかと思っています。



