シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

2作続けて【映画感想】ザ・ボーイ ~人形少年の館~

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ザ・ボーイ ~人形少年の館~

 

【あらすじ】★★★★☆

アメリカからイギリスにやってきたグレタは、大きな館に住む老夫婦にやとわれて、

彼らの子供の子守りをすることとなった。館を訪れたグレタは、彼らの息子である

ブラームスを紹介してもらうが、その子はどう見ても人形。からかわれているのか

と思い、笑ってしまうが、老夫婦は本気で人形を息子のように扱い、世話をしている。

二人は、グレタに10のルールを教え、旅行にでかけて行く。

ただの人形だと思い、グレタは適当にその人形を座らせておくが・・・。

 

【感想】

主演の女優さんは、ウォーキング・デッドのマギー役の方ですね。

(海外ドラマが好きな人にはおなじみの作品ですね。とても面白いので、私も

大好きです)

泥だらけで無造作な髪型でも綺麗な女優さんですが、綺麗にしていると

わかりやすく綺麗です。

途中でピンクのドレスが出てきたので、それを着たシーンが楽しみだったのですが、

ブラームスのせいで、彼女がそれを着ることはありません・・・。

おのれブラームス

 

グレタのパートナーとして登場するのが、館に日用品の配達をしているマルコム。

かっこよくて、ユニークなお兄さんです。

 

肝心のストーリーですが、最初からホラーな雰囲気がたっぷりで、大きな洋館が

いかにもヨーロッパな感じを出しています。

人形も、いつの間にかこっちを向いてたり、寝かせていたはずが起き上がっていたり

して嫌な気配を出し始めるのですが、特にその表情が生きているようで、

ぞっとしました。

 

目を離すと動いてるってとこが、日本のホラーみたいで良い演出だと思いました。

じわじわ怖いというか。

下手するとチャイルド・プレイのチャッキーみたいになっちゃうもんね。

 

彼がどうして動くのか、なぜ夫婦は旅に出たのか、結末はどうなるのかなど、あれこれ考えられて面白かったです。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

読むときは、反転させて読んでください。

 

彼が鏡の奥から、「ハーイ、ボク、ブラームス!」と言わんばかりに出てきたときは、

かなりびっくりして、目を丸くしてしまいました。

結末をあれこれと考えていたのですが、それは思いつかなかったなぁ。

一時は、マルコムが、昔遊びに来ていた少女を殺したんだと思っていましたが、

彼は、最後までただただかっこいい兄ちゃんでしたね。

 

はっきりと説明されるわけではないですが、大人になったブラームスの登場により、

8歳の誕生日に、彼が少女を殺してしまい、それを隠すために夫妻が火事を起こし、

死んだことにして、隠し部屋で育てていたことがわかります。

奥さんがルールを教えるときに、「大きな音で音楽をかけて」とか「朗読は、

はっきりと発音して」って言っていた意味も最後になってわかります。

冷蔵庫に入れた残り物は、彼が後で食べていたんでしょうね。

観ているときは、彼の登場にびっくりするあまり、そんな伏線の回収にも気づかなかったけれど、振り返ってみると、納得します。

 

最後まで悪霊とか幽霊などの心霊現象で怖がりたかった人には、不評なようです。

でも、私には、思いがけない展開がミステリーのようでとても面白かったです。

ジャケットをよく見るとネタバレしているんですよね。

右側の目のあたりは、大人になって仮面をかぶったブラームスくんです。

 

書いていて気づいたけど、ソムニアもこれも、子供を亡くした夫婦の話で

ちょっと変わったホラーでした。