コメディとシリアスの間で【映画感想】グッバイ・ゴダール
試写会にて鑑賞。
原題 Le Redoutable
【あらすじ】
パリの大学で哲学を学ぶ19歳のアンヌ。
天才監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ちて、ゴダールの映画「中国女」の主演を飾り、彼にプロポーズをされる。生まれて初めての経験の連続。そして、アンヌは、パリのデモ活動と彼の人生に巻き込まれていく・・・。
【感想】★★★★☆
ゴダールの映画は観たことがなく、伊坂幸太郎氏の小説で名前だけを知っていた。
「女は女である」のDVDを借りたけれど、時間が足りず、予習ができなかったのが残念。
原題の意味を調べてみると「恐ろしい、恐るべき」とのことなので、
「とんでもないやつ」って感じなのかな。
アンヌが綺麗でかわいくて、目が離せなかった。
どんな表情も素敵で、またボブに髪を切りたくなる。
似合わないんだからやめとけって。
前半はコメディの部分が多く、色彩も綺麗で面白かった。
1968年の5月革命のパリの様子もよくわかったし、
映画の後にお連れ様に色々教えてもらえてとても勉強になった。
(備忘録:パリの標語「たゆたえども沈まず」→「波に翻弄されても、沈まない」
ヨーロッパの中心にあるから多くの戦争に巻き込まれてきた。
その為にできた標語らしい)
街の壁にフランス語が書かれていたので、つい読んでしまった。
同時にセリフも聞いて字幕も読んだから頭の中がとても忙しくなった。
壁に書かれているフランス語の意味を後で調べたくなった。
ぜんぶ同時に理解できたらよかったのに。
ゴダールは、かなり付き合いにくそうな人として描かれていた。
天才だが、人に自分の考えを伝えるのが苦手な印象。
某ホリエモンのよう。
天才は孤独を感じる人が多そうだ。
ゴダールの身体もまるっと見られるが、こちらには興味なし。
コメディとシリアスのふり幅が大きく、最後は泣くのを我慢した。
全体的に女性目線の作品だったけど、ゴダールの気持ちもわかって
どちらにも感情移入できるいい映画だった。
(ただ、むだにエロい・・・)
この先は、ネタバレになってしまうので、
未鑑賞の方はご注意ください。
文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、
反転させて読んでください。
旅行から帰る車の雰囲気は最悪で、絶対にあの場にいたくないと思った。
「中国女」の記者会見の場面と、ゴダールの手に紙がくっついて離れない場面が
面白かった。
やっぱり「東京」って遠く離れたフランスでは、中国の一部なんだな。
フランスに行った際、よく「ニイハオ」って声をかけられたことを思い出した。
最後にゴダールが自殺するのはずるいと思った。
死は暴力だ。
残されたアンヌはたまらないだろう。
助かってよかった。
ゴダールについて少し知ることができてよかった。
作品も見てみたいけど、理解できるかどうか・・・。
古いし、なかなか難しそうだけど、チャレンジしてみたい。