シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

ミステリーなのに泣ける【映画感想】ザリガニの鳴くところ

アマプラで鑑賞。

【あらすじ】

裕福な家庭の青年、チェイスの死体が湿地のやぐらの下で見つかる。容疑者として捕まえられたのは、湿地の近くに独りで住むカイヤ。彼女はチェイスと親密な関係にあり、街に馴染まない彼女を蔑み、敬遠してきた街の人たちはカイヤを犯人だと決めつけるが...

 

【感想】★★★★☆

「ザリガニが鳴くところまで逃げなさい」とは、主人公の母の言葉だけれど、どういう意味だろうと考えた。そもそもザリガニって鳴かないような気がする。だから「この世にないところまで逃げなさい」ってことかと。実際は、大自然そのものを指してるんだろうと思う。

主人公のカイヤが綺麗。これ大事。アン・ハサウェイの若い頃に似てる気がする。小さい頃も若い頃もかわいい。よく似た顔立ちの子を見つけるなぁと感心する。ミステリというより、ラブストーリーとかヒューマンといった印象が強い。カイヤの他に容疑者が出てこないので、あれこれ推理もできない。

最初に母が家から去り、次は姉たち、そして兄、最後に家族が去った元凶の父までもがカイヤの元を去るんだけど、それでも湿地を離れずたくましく生きるカイヤはすごい。私なら兄が去る時に「連れてって」って言っちゃう。なんでそうしなかったんだろう?湿地を離れるのが嫌だったのかな。

謎解きを楽しむというより、彼女の人生をたどっていく感じ。湿地の景色もきれいだし、何より彼女が描く絵がきれい。

雑貨屋の夫婦がいい人たち過ぎて、ちょこちょこ涙目に。最後は涙腺崩壊。ボロボロ泣きながら見ました。いい映画だった・・・。

文庫が出たら原作も読もうかと思っている。ハードカバーは持ち歩きしにくいからどうも読む気になれない。

 

構成が「切裂き魔ゴーレム」とほとんど同じだったので、この作品が気に入った方は見てみるとおもしろいかも。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。

 

 

 

雑貨屋の奥さんが言った「小さい子への施しは、自分への施しなのよ」みたいなセリフがしみた。やっぱりキリスト教っていい。飴が欲しいカイヤの気持ちを汲み取って飴をこっそり入れてくれたり、捕まったカイヤに服を差し入れたり、本当に泣ける。多分、あの夫妻には子供がいないんだろうな。弁護士さんの「学校に行きなさい。君にはその権利がある」ってセリフも弁護士らしくていい。

 

テイトは最初からいい奴だったんだけど、7月4日の約束をすっぽかすのはひどい。花火のきれいさが切ない・・・。多分、すっぽかされるんだろうな・・・と思ったけど「お願い、ちゃんと来て~」と祈りながら見てました。でも、予想通り来なかったので、もんのすごく腹が立ちましたね。私は激おこぷんぷん丸でした(古)そりゃ、カイヤも石を投げるよ。行かないって決めたなら前もって手紙書くとかできたでしょ。すっぽかしはよくない。NO MOREすっぽかし。テイトがあの日にちゃんと来てれば、チェイスなんて最悪な男に捕まらなかったのに。全部テイトのせいだ。最後に、テイトが貝殻のペンダントを見つけてワナワナしてて、ちょっとかわいそうだったけど、元凶だからしかたないか。

犯人はカイヤかテイトなんだけど、最後でやっぱりカイヤだってわかって残念。願わくば、全然違う人ってラストが良かった。例えばチェイスの婚約者とか。

でも、カイヤが余生を幸せに生きていたから、それだけでいいかと思ってしまう。やっぱり一緒に生きる人って慎重に選ばないとだめだね。

 

カイヤが亡くなるときに、お母さんが迎えに来たところ、よかったなぁ。待ち続けて待ち続けて、やっと迎えに来てもらえたんだね。お母さんが若くて、カイヤも子供に戻ってて、すごくいいシーンでした。

 

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