Loveにもamorにも点はないけれど【映画感想】dot the i
DVDにて。
原題:Dot the i
日本語字幕のものはみつからず。雰囲気だけでも。
【あらすじ】
カルメンは、ある日、お金持ちの恋人にプロポーズされる。独身最後のパーティで、その場にいる男性とキスすることに。ゲーム感覚でしたキスだったが、夢中になってしまうカルメン。それでも、それで終わりのはずだったが、その相手だったキットが彼女の職場に現れて・・・。
【感想】★★★★☆
ずっと気になっていたが、見れずにいた一本。二転、三転とレビューにあったのでどうなるのかと考えながら見てたけど、うーん、これは読めなかった。wikiにはサイコスリラーって書いてあるけど、サイコではないと思う。
バーナビー役の人、ベネディクト・カンバーバッチかと思った。ちょっと違うんだけど、目元が似ている気がして。キット役のガエルは、笑顔がかわいい。なにその八重歯。カルメンは美人なのに、笑顔が屈託なくてかわいらしいですね。ちょび髭つけててもかわいい。ラストとフラメンコシーンはキリッと妖艶な感じでした。三人とも絵になる感じです。
前半は、ありがちなラブストーリーだけど、意味深なカメラごしの視線やシーンが挟まって、いったい誰が彼女を撮影しているのかが気になりました。あるシーンから徐々に種明かしが始まっていくんですが、まだ続きがある。なかなか練られた脚本で、有名ではないけれどオススメしたい映画、第5位くらいでしょうか。ちなみに1位はトランス・ワールド、2位はトライアングル 3位はタイム・クライムス、4位は2ROOMS。そう言えばちょっと2ROOMSっぽいですね。二人の男と一人の女。どんでん返しの脚本。サスペンス。
タイトルは、もともと ”Dot the i’s and cross the t’s” という、ことわざと言うか、イディオムから来ているみたいです。意味は、「iに点をつけて、tの横線を入れる」で、「細かいところまで注意深く」だそうです。カルメンのセリフに「キスは愛という文字を完成させる最後の点」とありますが、うまく引っかけたのかなと思います。そして、どこの国の言葉なのか気になりました。スペイン語でも愛は”amor”で点はつかないしなぁ。ただの比喩なのかな。
色々書きたいけど、ネタバレになってしまうので、続きはこの後で。
この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。
文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。
パーティーで、仲良くしているカルメンとバーナビーを見て、違和感というか「許せるもの?」って思ったけど、なるほど、そうなるのね。でも、殺しちゃうのはやりすぎなような。それを言ったらそもそもバーナビーがやり過ぎなんだけど。「9人の翻訳家」のようにハメるくらいでよかったような気がします。かわいそうなのは、罪をなすりつけられた二人。エンドロールの途中のシーンを見て、彼らも最初からカルメンたちの共犯?と思いましたが、動機もないし、リスクが大きすぎるのでそれもないか。
バーナビーは、かっこいいのにどこか壊れちゃってますね。映画のためとはいえ半年もカルメンを騙すなんて。バーナビーの目論見通りうまくいったけれど、カルメンがキットに惹かれなかったらどうなってたのかな。
二人でホテルで盗み食いして、それがバレて、報知器鳴らして逃げるついでに、ワインを盗っていくシーンは、若い感じがしてよかったです。そこだけ別の映画みたい。ホテルの支配人(?)の「いい選択だ」っていうセリフも映画っぽくていい。
結婚式場に駆け込むキットのシーン。式場が広くて、結局すれ違うのが意外でおもしろかった。間に合わないんかい!と、一人心の中でつっこみましたね。
タイトル通り、注意深く見ても、ラストを見破るのはなかなか難しい。それとも作り手側のコンセプトだったのかも。それこそ注意深く作らないと穴ができそうな作品でした。