シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

Loveにもamorにも点はないけれど【映画感想】dot the i

DVDにて。

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原題:Dot the i

Dot The I (Trailer) - YouTube

日本語字幕のものはみつからず。雰囲気だけでも。

 

【あらすじ】

カルメンは、ある日、お金持ちの恋人にプロポーズされる。独身最後のパーティで、その場にいる男性とキスすることに。ゲーム感覚でしたキスだったが、夢中になってしまうカルメン。それでも、それで終わりのはずだったが、その相手だったキットが彼女の職場に現れて・・・。

 

【感想】★★★★☆

ずっと気になっていたが、見れずにいた一本。二転、三転とレビューにあったのでどうなるのかと考えながら見てたけど、うーん、これは読めなかった。wikiにはサイコスリラーって書いてあるけど、サイコではないと思う。

 

バーナビー役の人、ベネディクト・カンバーバッチかと思った。ちょっと違うんだけど、目元が似ている気がして。キット役のガエルは、笑顔がかわいい。なにその八重歯。カルメンは美人なのに、笑顔が屈託なくてかわいらしいですね。ちょび髭つけててもかわいい。ラストとフラメンコシーンはキリッと妖艶な感じでした。三人とも絵になる感じです。

 

前半は、ありがちなラブストーリーだけど、意味深なカメラごしの視線やシーンが挟まって、いったい誰が彼女を撮影しているのかが気になりました。あるシーンから徐々に種明かしが始まっていくんですが、まだ続きがある。なかなか練られた脚本で、有名ではないけれどオススメしたい映画、第5位くらいでしょうか。ちなみに1位はトランス・ワールド、2位はトライアングル 3位はタイム・クライムス、4位は2ROOMS。そう言えばちょっと2ROOMSっぽいですね。二人の男と一人の女。どんでん返しの脚本。サスペンス。

 

タイトルは、もともと ”Dot the i’s and cross the t’s” という、ことわざと言うか、イディオムから来ているみたいです。意味は、「iに点をつけて、tの横線を入れる」で、「細かいところまで注意深く」だそうです。カルメンのセリフに「キスは愛という文字を完成させる最後の点」とありますが、うまく引っかけたのかなと思います。そして、どこの国の言葉なのか気になりました。スペイン語でも愛は”amor”で点はつかないしなぁ。ただの比喩なのかな。

 

色々書きたいけど、ネタバレになってしまうので、続きはこの後で。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。

 

パーティーで、仲良くしているカルメンとバーナビーを見て、違和感というか「許せるもの?」って思ったけど、なるほど、そうなるのね。でも、殺しちゃうのはやりすぎなような。それを言ったらそもそもバーナビーがやり過ぎなんだけど。「9人の翻訳家」のようにハメるくらいでよかったような気がします。かわいそうなのは、罪をなすりつけられた二人。エンドロールの途中のシーンを見て、彼らも最初からカルメンたちの共犯?と思いましたが、動機もないし、リスクが大きすぎるのでそれもないか。

バーナビーは、かっこいいのにどこか壊れちゃってますね。映画のためとはいえ半年もカルメンを騙すなんて。バーナビーの目論見通りうまくいったけれど、カルメンがキットに惹かれなかったらどうなってたのかな。

 

二人でホテルで盗み食いして、それがバレて、報知器鳴らして逃げるついでに、ワインを盗っていくシーンは、若い感じがしてよかったです。そこだけ別の映画みたい。ホテルの支配人(?)の「いい選択だ」っていうセリフも映画っぽくていい。

結婚式場に駆け込むキットのシーン。式場が広くて、結局すれ違うのが意外でおもしろかった。間に合わないんかい!と、一人心の中でつっこみましたね。

 

タイトル通り、注意深く見ても、ラストを見破るのはなかなか難しい。それとも作り手側のコンセプトだったのかも。それこそ注意深く作らないと穴ができそうな作品でした。

 

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