雰囲気作りが満点【映画感想】2ROOMS トゥールームス
仕事中、偶然見かけて惹かれたDVD。
原題:ACROSS THE HALL
【あらすじ】
クラシックなホテル、リバービューの507号室。
婚約者の浮気を疑ったテリーが銃を片手に向かいの部屋で親友のジュリアンに電話をする。
「ジューンが浮気しているようだ。今から浮気相手を撃ち殺す」
「ちょちょちょ待て!落ち着け!今、そっちに行くから!」
ジュリアンは急いでホテルに駆けつけるが、そこには血の染みと縛られた男がいた・・・。
【感想】★★★★☆
原題のACROSS THE HALLは、「廊下をはさんで」といった感じでしょうか。
これは、2ROOMSにして正解ですね。
もう一部屋出てくるから、3ROOMSなんだけど内容的には2ROOMSかな。
オープニングからクラシックな雰囲気で、カメラワークもおもしろく、とてもよくできたサスペンスでした。
大きなどんでん返しがあるのかと思っていましたが、そうではありませんでした。
ラスト近くで、そうじゃないなとジワジワわかってきたのでよかったです。
でも、オチまでは読めなかったな。
どうどんでん返しするんだろうって考えちゃった。
劇場公開してもいいくらいのできなのに、なんでしなかったんだろう。
そんな名作がまだまだ埋もれてるんでしょうね。
もったいないことです。
それはともかく、脚本がよくできている作品でした。
細かいツッコミ所はあるんですが、それらをふっとばすくらいの完成度でした。
階段のシーンなど、ハラドキなシーンもあってよかったですね。
ただ、めずらしくテリーとジュリアンの区別が難しかった。
慣れたら大丈夫だったけど、あれ?どっち?ってなるシーンがありました。
それから、クラシックなホテルなので、時代背景がわかりにくかったけど、携帯が出てくるから公開当時の時代背景でいいみたい。
日本語版はみつからず、英語版の予告です。
雰囲気だけでもどうぞ。
この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。
文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。
「アフタースクール」とか「運命じゃない人」とか内田けんじ監督の作品に似てますね。
だんだん全容が明らかになってくるというパターン。
見終わって最初に思ったのは、「テリー、頭の回転早すぎ!」
あんなに短時間ですべてを悟って、計画立てるなんて。
見るからに直情型なのに、キレたり嘆いたりしないで復讐計画を数分でたてるなんて…。
そんなキャラ作りも、脚本の思惑なんでしょうけど。
そして、どうしてもつっこみたいので、ちょっとお付き合いください。
ホテル側、あんなに簡単に宿泊者名簿って見せていいの?
それより、データ入力じゃないんだ?
確かにパソコンが似合わないロビーだけどさぁ。
2009年ってそんなにアナログな時代じゃないよね。
ジュリアンの元彼女、アンナもすごいタイミングで宿泊してるし。
後から知ったのですが、ヒロインのブリタニー・マーフィーは2009年に32歳の若さで亡くなってるんですね。
わりと有名な映画にでてるけど、見たことない作品ばかりで彼女のことは知りませんでした。
綺麗なので、惜しまれたでしょうね。