シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

パパがんばれ!その4【映画感想】カットオフ

DVDにて。

f:id:fu2uki:20200706062428j:plain

原題:Abgeschnitten(ドイツ語)

意味:切断、孤立

 

予告編

https://www.youtube.com/watch?v=CmLX_0S4aik

 

【あらすじ】

検視官のポールは、職場に運び込まれた女性の遺体の中に小さな紙きれを見つける。そこにはポールの娘のハンナの名前と携帯の番号が記載されていた。不安に襲われたポールは、即座にハンナに連絡をする。すると彼女は「指示に従わないと殺される。エリックを探して指示を受けて」と訴える。ヤンヤンしてエリックに電話をかけるとリンダと言う女性が出て、「エリックは死んでる」と言う。リンダによるとそこはポールがいる場所から離れた孤島で、嵐の中なんとか向かおうとする。頼れるのはリンダと言う謎の女性だけ。果たしてポールはハンナを助けられるのか?!

 

【感想】★★★☆☆

原題は「切断、孤立」と言う意味のドイツ語ですね。どちらでもこの作品にはあっているので、いいタイトルだと思います。交通が切断された孤島で起きている事件ですし、とにかく遺体を切って切って切りまくって手掛かりを取り出すストーリーなので。そのタイトルにこだわりすぎたのか、「なんで?」って場面もありましたが。

 

そして、キャッチコピー通り、神経衰弱しましたね・・・。最初は、リンダのシーンから始まるので、「?????」と頭の中に「?」がいっぱい。でも、そのうちあらすじの内容になってくるのでご安心ください。それからは、かなりしんどいシーンを見させられ、このまま見られるか不安になります。女性は特に注意です。耐性が必要。目を背けてしまうシーンが目白押し。直視できないっていうのも脚本家の狙いなんでしょうが、もうちょっとやわらげて撮ってほしいです・・・。

検視のシーンや遺体のシーンなどは全然平気。見慣れましたね。「どうやって撮ってるのかな」っていつも思います。実際はすごい匂いがあるでしょうから、「リンダ強いな」って思いました。

 

ハンナのママは、一瞬出てきただけだったような。とにかくポールとは上手くいってないようです。映画にはそんな設定が多いですね。

 

最後は若干ホッとしましたね。ちゃんと最後まで見てよかったなと。でも、後味もいいものではないなぁ。ミステリーとしてはよくできているけれど、感情的に複雑になりすぎます。そんなわけで2つ引いて星3つとなりました。

 

え?星6つが満点じゃないのって?それは神のみぞ知るのです。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。

 

まずレイプシーンがなんてしんどいこと・・・。サドラー、変態すぎるでしょ。裁判官の女性もその判決だったら恨みも買いますよね。自業自得感が否めません。でも、殺すことはないかと・・・。

 

それからインゴルフ!いやぁ・・・絶対に黒幕側だと思ったのに。誘導しまくりではないですか。でも、湖に落ちた時点で「細かいところに目が行くだけのアホ?」ってなりました。それなら、職業選択を間違えていますね。お店のオーナーなんかが向いていると思います。黒幕説もあって、こっちが有力かと。最後の意味深なシーンが後押しします。つまり、インゴルフはポールを答えに誘導する係だったのでしょう。これはなかなか深いです。ですので、「原作がありそう」と思って調べてみたら、セバスチャン・ フィツェックのスリラー小説が原作のようです。

 

ちなみにピエール・ルメートルの「その女アレックス」も面白いです。翻訳も上手でストレスなく読めるのでオススメです。

 

そして、リンダちゃんいい子すぎる。私なら逃げ出す。でも、逃げ出すと(精神的に)元カレが追いかけてくる・・・。そんな状況なら人助けに走るかも・・・。と思いました。そのあたりのリンダちゃんの心境もわかっていいですよね。でも、サドラーに追われてるとき、意識不明のエンダーも助けようと彼を引きずりながらエレベーターに向かってるときは、本当にハラハラドキドキです。この映画は本当に、心臓がもたないのではないかと思うくらい、ハラドキしましたね。

そして、このあたりで、あれ?あれ?と思いました。普通に話せているサドラーともごもごしてるサドラー。なんかおかしい。でも、全体像は見えず。それを考察する余裕はないんですよ。場面もコロコロ変わるし、頭の中の情報処理が追い付かないんです。

 

ポールが車をわざと事故らせたときにすぐにヘリが来た時には「いやいやいや」ってツッコミました。いくら高級車だからって、そんなに早く助けにこないでしょう。インゴルフくんもかわいそうに。加担したからにはそれなりの覚悟はあったのでしょうが・・・。

それから、イェンスが証拠のSDカード(?)を飲み込むのはなんで?ポールにケンカ売ってるだけ?SDカードが大好物といった裏設定?無駄な行動だと思ったのは私だけでしょうか?監督は、どうしてもポールに遺体を切りまくってほしいのかな?なんて思いました。

 

ハンナが無事だったのが唯一の救いです。イェンスも自分の娘が殺されたって言うのに、ひどいことをしますね。最初の遺体であるイェンスの妻も、止めなかったのでしょうか。それとも、彼女は本当の計画を知らずに犠牲になったのでしょうか。(最初の遺体はイェンスの妻でしたよね?違っていたらご指摘ください)

 

もしかしたらサドラーの持っていた鍵は偽物だったのかもしれませんが。「褒美はどこだ・・・」とつぶやきながらハンナを探すサドラーは本当に怖い。ハンナの精神が心配です。それにしても、彼女については上手くミスリードされてしまいました。サドラーにひどいことをされているのは、ずっとハンナだと思っていましたからね。

 

ラストは、サドラーの指をカットする直前、一瞬、躊躇するポールが偉いなと。でも、カットしちゃうよね、そうだよね。そして、それが正解。海に落ちて即死じゃなくて、ある程度苦しんで死んでほしいなぁ。少しずつ手足をカットしてじわじわ殺してほしいと、めずらしくSな気持ちになってしまいました。

 

面白かったけれど、もう二度と見ません。