シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

ハラドキが尻尾まで【映画感想】ティル・デス

DVDにて。

原題:TILL DEATH

 

【あらすじ】

エマとマークは11年目の結婚記念日を迎えるが、エマの愛は冷めつつあった。マークは、二人の結婚生活をやり直そうとサプライズをしかけ、エマを別荘のレイクハウスに連れてくる。マークの愛情を感じたエマは彼と身体を重ねて眠りにつくが、朝目を覚ますと手には手錠が。「これ、何?」とエマが尋ねるとマークはおもむろに手にした銃で自分の頭を撃ちぬいた・・・。

 

【感想】★★★★★

期待してなかった分楽しめました。タイトルとジャケットとあらすじでレンタルしたんだけど、カメラワークも面白かったし、先が読めそうで読めない感じがよかった。この作品は予告やHPを見ないで、できるだけ情報を遮断したまま本編を見ることをオススメします。

 

「目覚めたら手錠で繋がれた夫の死体 襲い来る謎の男たち」といった文がジャケットにあるんですが、どちらも本編とは、多少ずれた表現のように思います。エマが目覚めたとき、夫は生きていたし、襲い来る男たちの正体はわかっています。この文を読むと夫も殺されてしまったように推測してしまいます。

この襲い来る男が、気持ちいいほどのクズでしたね。頭も顔も悪くないのに・・・。何があってこんな男になってしまったんでしょう。良心のかけらもない。

 

最初からこの男の影がちらつくので一筋縄ではいかないとは思っていましたが、こんなにハラドキ(ハラハラドキドキ)させられるとは。タイガーハウスを思い出しつつ見ていました。序盤は脱出ゲームみたいな感じでエマが一人でヤンヤンするのかと思っていましたが、わりとすぐに次の展開にうつりました。その後の男たちとの攻防が楽しすぎた。エマが賢くてとても素敵。序盤のドレス姿には胸元にしか目がいかないですが、どこかエキゾチックな顔立ちに青い目で綺麗な顔立ちです。演じたミーガン・フォックストランスフォーマーにも出演してる女優さんなんですね。

 

雪に覆われたレイクハウスが舞台なので、夏に見ると涼しくていいかも。見てるだけで寒い。

 

原題はそのままですね。途中で出てくる「死がふたりを分かつまで」にかけてるのかな。antillとtillって何が違うんだっけ?と思って調べたら、antillのくだけた表現がtillらしい。そして、tillは文頭にこない。会話でも文頭ではantillなんだって。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。

 

 

銃がベッドの下に入ってしまうシーンは、「伏線ですよ」って監督の声が聞こえました。でも、エマが手にするんだと思っていたらジミーでしたね。ジミー、子悪党だけどいいやつ。兄貴に恵まれなかったな。彼も完全な被害者です。兄貴に銃を向けたとき、「そうだ、ジミー!」となりました。彼の行動にすごく救われました。

エマが一人でヤンヤンしてるとき、セリフが「Fuck」しかなくて、その後の「another fuck!」が面白かった。この状況じゃそれしか言えないよね。それにしても、エマは男運がなさすぎです。マークは一人で死んだらいいのに。エマの不倫に気づいたわけでもないようなのに、どうしてここまでひどいことができるのか・・・。エマを襲った犯人を雇うなんて。もう絶句しました。どうして一度は愛した人にここまでひどいことできるの?

そして、さらに主犯のボビーが最悪。自業自得のケガや投獄なのに、報復に訪れるなんて、どういう思考回路なのか。全然反省してない。頭がいいから、刑務所内ではちゃんと反省したふりをしていたんだろうな。

 

二人がレイクハウスに襲いに来て、緊迫感が増しました。隠れて逃げての場面はハラドキでいいですね。ボビーが屋根裏に、ジミーが部屋の中を歩くシーンがとてもよかったです。基本的にエマの視点だったけれどこのあたりから変わって、屋根裏のどこにエマが隠れてるかわからないのもよかった。そして、エマのクリーンヒットでボビーが下に落ちたときはテンションがあがりました。

「それにしても警察が来るのが遅い・・・。そろそろ終わりかな」と思いつつ迎えたラスト。まさか湖に引きずり込まれるとは。そして、エマのナイフが湖の氷を突き刺すタイミングが素晴らしかった。「ダメだったか・・・」とバッドエンドかと思ったところにガッと来ましたね。助かってよかった。そしてエマには一刻も早く温まってほしいと思いました。