DVDにて。
原題:malignant
【あらすじ】
マディソンはもうすぐお母さんになる予定の女性。しかし、夫はDV野郎でまたちょっとしたことから暴力をふるわれる。後頭部を強打したマディソンは、夫を寝室から追い出し、リビングのソファに寝かせる。夫が一人で寝ていると、ポルターガイストが起こり、いつの間にか後ろに人影が・・・。マディソンも襲われ、気を失うが一命をとりとめて病院に運ばれる。その後、その犯人が殺人をする悪夢を見るようになり、警察に駆け込むが・・・。
【感想】★★★☆☆
ジェームズ・ワンのホラーということで気になったので見てみました。「ソウ」は今でも新作ができるくらいの名作だからね。
最初の5分くらいは、間違って借りてきたかと思った・・・。SFっぽいんですよ。「これは、エイリアンでは?」みたいな。
思っていたのと違う感じで始まるんですが、徐々にあらすじ通りになります。でも、マディソン、序盤でおもいきり襲われるんですよね。悪夢だけ見るのかと思っていたので意外でした。マディソンが逃げるシーンのカメラワークが面白かったのと、なかなか先が読めない脚本がよかったです。
マディはまさにホラー映画の主人公って感じの美人。小さい頃のマディも、ちゃんとマディにそっくりですごい。すぐにマディの小さい頃だなってわかるもんね。ケイ刑事はちょっぴりイチロー似のイケメン。そして、頑丈。アメリカ映画に出てくる人って、どうしてこんなに頑丈にできてるんですかね?クローバーフィールドを見た時からの疑問です。もしかして、アメリカ人がみんな頑丈なの?そして、すごく気になったのが鑑識(?)の眼鏡の女の子。アメリカの刑事ものの連ドラとかに出てきそうな感じで、鑑識ならではの好奇心旺盛な感じがよかった。
そして、途中から助けに入るマディの妹シドニー。この子がまた勇敢で、タワーオブテラーをホーンテッドマンションにしたような廃墟と化した病院に夜中に一人で乗り込んでいくんだけど、よくそんなことできるな・・・と。何か出る気配が満々の中、地下に入り込んでいくのはすごい。朝に行こうよ。無駄に雰囲気のある病院でした。
マリグナントは「悪性の」といった意味のようです。「悪性の腫瘍」と序盤から言われるので、これかなと。馴染みのない英単語なので、「狂暴な悪夢」をつけた感じですね。凶暴ではなくて、狂暴。確かにあんな悪夢を見続けたら気が狂いそう。
この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。
文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。
マディとガブリエルが同一人物だっていうのは薄々気づくんだけど、マディが捕まった時に、マディの家に残っていた逆向きの手の跡の指紋から彼女が犯人だってわかるのでは?と疑問に思いました。指紋調べてないのかなぁ。最初の事件ではマディは被害者だとしても、捕まった時は指紋も調べるんじゃないかと思うんですが。最初のときも女性の刑事さんがDVがあったから、マディには動機があると疑ってたし。
一番驚いたのは、マディの実母が屋根裏から落ちてきたとき。そこかい!ってなりましたね。実母さんが監禁されてるのは、どこだろう?とは思っていたけれど。さすがにこれは読めなかったし、落ちてきた場所がマディたちのいるところだったので、びっくりしました。ビデオでガブリエルの正体がわかるシーンよりこっちのほうが意外だった。
そもそも、寄生性双生児って実際にありえるんでしょうか。超能力も持ってるし、SFだけでは物足りなくて、メディカル・フィクションも付け加えちゃった感じですね。ガブリエルは電話やラジオを通して会話をしますが、そんなまどろっこしいことしなくてもマディにしゃべらせればいいんじゃないかと思いました。演出なんだろうけれど。それからガブちゃんの身体能力半端ないですね。特に階段を手で降りていくところと、警察署で大暴れしているシーン。バイオのアリスかよ。腕が逆になってるのに、おかまいなして動きます。
ラストシーンは意味深ですね。え?ガブちゃん、復活しちゃうの?と不安になる感じでよかったです。その時はその時で、またマディが決着をつけるのでしょう。かっこよく決めセリフ言ってましたから。でも、このままガブちゃんは閉じ込められたままで、マディには幸せになってほしいと思いました。この先、素敵な人と出会って赤ちゃんも授かるといいですね。ケイ刑事といい感じになったりしたらいいんだけど。ただ、マディは罪には問われないんだろうかと心配です。多重人格でも精神鑑定されて無罪になったりするので、大丈夫かと思いますが・・・。前例はないだろうから、裁判はなかなか大変そうです。
そして、肩にトロフィーが突き刺さったままのケイ氏に幸あれ☆