シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

キツネとキツネの騙しあい【映画感想】インビジブル・ゲスト 悪魔の証明

同僚に面白かったと聞いてDVDで鑑賞

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原題 Contratiempo(事故)

Invisible guest (見えない訪問者)

 

【あらすじ】

殺人容疑で起訴された実業家ドリアのもとに、

敏腕弁護人グッドマンが訪ねてくる。

グッドマンはその名に似合わず、やり手の女性弁護士。

二人は3時間後に開始される裁判に勝つため、

反証の準備を始める。

事件の再検証を進めていく二人。

ドリアは不倫相手のローラとの密会中に、

車の事故でダニエルという青年を死なせてしまっていた。

山の中だったため、死体を湖に沈めて隠蔽を図ったものの

ダニエルの父親はドリアを疑って彼の周辺をかぎまわる。

その後、ドリアとローラは山奥のホテルに誘い出され、

二人きりの密室でローラが殺害された。

ドリアが圧倒的に不利な状況にも関わらず、

グッドマンはドリアを無罪にできると言うが……。

 

【感想】★★★★☆

うまく騙されました。

あらすじを読まずに観たのがよかったかも。

本当にハラハラした。

ドリア、ドリアと書いていたらドリア食べたくなった。

 

何を書いてもネタバレになりそうなので、続きは下に。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

グッドマンが殺されるんじゃないかと冷や冷やした。

でも、あと3時間で裁判開始って設定で、本物のグッドマンがドリアの

仕事場に来る時間が遅くない?

アポとってなかったの?

それにしては時間ピッタリだよね。

その前に、夜中に裁判開始ってありえるの?

ピンポーンのチャイムが、「正解!」って感じでよかったけれど。

 

他にも、ダニエルの父親がライターを投げ捨てる場面が

車を沈める場面につながるところがよかった。

 

パタパタと表・裏になっていく過程が面白く、ラストでは

映画「64」を思い出した。

父母の執念がすごい。

 

現実だったら、ドリアがテレビに出た時点でマスコミが

動いて真実を暴き始めそう。

アリジゴクのように落ちていく姿が滑稽でした。

 

やっぱり、悪いことは隠さないほうがいいですね。

コメディとシリアスの間で【映画感想】グッバイ・ゴダール

試写会にて鑑賞。

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原題 Le Redoutable

 

【あらすじ】

パリの大学で哲学を学ぶ19歳のアンヌ。

天才監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ちて、ゴダールの映画「中国女」の主演を飾り、彼にプロポーズをされる。生まれて初めての経験の連続。そして、アンヌは、パリのデモ活動と彼の人生に巻き込まれていく・・・。

 

 【感想】★★★★☆

ゴダールの映画は観たことがなく、伊坂幸太郎氏の小説で名前だけを知っていた。

「女は女である」のDVDを借りたけれど、時間が足りず、予習ができなかったのが残念。

 

原題の意味を調べてみると「恐ろしい、恐るべき」とのことなので、

「とんでもないやつ」って感じなのかな。

 

アンヌが綺麗でかわいくて、目が離せなかった。

どんな表情も素敵で、またボブに髪を切りたくなる。

似合わないんだからやめとけって。

 

前半はコメディの部分が多く、色彩も綺麗で面白かった。

1968年の5月革命のパリの様子もよくわかったし、

映画の後にお連れ様に色々教えてもらえてとても勉強になった。

 

(備忘録:パリの標語「たゆたえども沈まず」→「波に翻弄されても、沈まない」

ヨーロッパの中心にあるから多くの戦争に巻き込まれてきた。

その為にできた標語らしい)

 

街の壁にフランス語が書かれていたので、つい読んでしまった。

同時にセリフも聞いて字幕も読んだから頭の中がとても忙しくなった。

壁に書かれているフランス語の意味を後で調べたくなった。

ぜんぶ同時に理解できたらよかったのに。


ゴダールは、かなり付き合いにくそうな人として描かれていた。

天才だが、人に自分の考えを伝えるのが苦手な印象。

ホリエモンのよう。

天才は孤独を感じる人が多そうだ。

 

ゴダールの身体もまるっと見られるが、こちらには興味なし。

コメディとシリアスのふり幅が大きく、最後は泣くのを我慢した。

全体的に女性目線の作品だったけど、ゴダールの気持ちもわかって

どちらにも感情移入できるいい映画だった。

(ただ、むだにエロい・・・)

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

旅行から帰る車の雰囲気は最悪で、絶対にあの場にいたくないと思った。

 

「中国女」の記者会見の場面と、ゴダールの手に紙がくっついて離れない場面が

面白かった。

やっぱり「東京」って遠く離れたフランスでは、中国の一部なんだな。

フランスに行った際、よく「ニイハオ」って声をかけられたことを思い出した。

 

最後にゴダールが自殺するのはずるいと思った。

死は暴力だ。

残されたアンヌはたまらないだろう。

助かってよかった。

 

ゴダールについて少し知ることができてよかった。

作品も見てみたいけど、理解できるかどうか・・・。

古いし、なかなか難しそうだけど、チャレンジしてみたい。

期待値が高すぎた【映画感想】ジュラシック・ワールド 炎の王国

劇場で鑑賞。

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原題 Jurassic World: Fallen Kingdom

 

【あらすじ】

前作に登場した「ジュラシック・ワールド」が

火山の大噴火で恐竜が絶滅の危機に。

オーウェンとクレアは、恐竜たちの救出に

イスラ・ヌブラル島に向かうが、火山にも恐竜

にも襲われヤンヤンする。

彼らは無事に、恐竜たちを救えるのか?!

 

【感想】★★★★☆

ストーリーは前作の方がよかった。

今回は、山場がどこかよくわからない感じ。

あのテーマ曲も、もうちょっと早く

聞きたかったな。

逆に言えば、チョコチョコと

面白いシーンがあり、飽きなかった。

恐竜と火山の噴火や溶岩は視覚的に相性がいいなーとも思った。

 

ジュラシックパーク1を思い出させる

シーンが多く、それはよかったけど、

子供向けではないかも。

メイジーは、文句なしにかわいい。

ただ、オーウェンは無双過ぎ。

 

コロコロとシーンが変わるので、

映画を見慣れない人はちょっと疲れちゃうかも。

とにかく、ちょっと詰め込み過ぎな印象。

でも、次回作も絶対に劇場に行く。

 

だって恐竜たちは、どれも最高だったからね!

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

 

 

メイジーが、館の手動エレベーターに潜り込んで扉を閉めようとするシーンは

なんだか懐かしくなってよかった。

思っていたよりCMのシーンが早く出てきて、びっくり。

あれがクライマックスかと思っていました。

 

最初のシーンは、ロスト・ワールド(だったかな?)の冒頭を思い出させるし、

何回か出て来た裁判所(?)のシーンは、

「あら、イアン・マルコム博士、お久しぶり」って感じ。

 

次回作も出てほしいな。

エビデンス違い 【映画感想】エビデンスー第6地区ー

他のブログから転載。(2016年04月19日)

同タイトルのDVDを間違えて借りて来たけど、なかなか面白かった作品。

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【あらすじ】

若者4人がワンボックスカーで山奥にキャンプに行く話。

ドキュメンタリーを撮るぞ!とビデオカメラを持って行く男がいて、

POVのできあがり。

 

【感想】★★★★☆

若者がカメラを持ってキャンプに行くって言う、これでもか!ってくらいの

セオリー通りの始まり方。

カメラ回しながらキャンプなんてフラグたちまくりで、怖い目に

合わない方がおかしい。

いつの間にか一人ずついなくなっちゃうとか、UFOが飛んでくるだとか、

なぜかゾンビに囲まれるとか、そんな展開にしかならないよね。

映画の世界では、

「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ」のセリフと同レベルの死亡フラグ

 

間違えて借りて来たんだけど、見始めてから30分以上も気付かなかった。

「もっと早く気付くだろ」って、ツッコミが聞こえてきそうだけど、

意外と気付かないものですよ。


例えば、「スターウォーズ」を見ようと思って、「テッド」が再生されたら、

私だってすぐに気づきます。

テッドが、ライトセーバーぶん回してたって気づきますよ。

ライトセーバーが思い出せずに、あやうくライフセーバーって書く

ところだった。人命救助してどうする。)

 

でも、これはここからあらすじに書いてあった展開になるんだなって

思えるような始まり方だったんですよね。


そんな訳で、3分の1くらい見たところで気付いたんですが、

まぁ知らない映画でもなかったし、面白いってレヴューも最近読んだばっかり

だったので、最後まで見ました。

 

序盤はありがちなのに、途中からの展開がすごかった。

もうツッコミが追い付かないほど。

 

詳しく書くとネタバレなので、これ以上はこの後に。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。

 

キャンプをしていると、謎の生物の鳴き声(?)が聞こえてきて、

その時点でとっとと帰ればいいのに、「朝まで待とう」とか、

「荷物置きっぱなしだ」とか言ってるうちに、帰れない状態になってしまう。

その後、謎の生物に追いかけられるうちに、もうなんでもアリだなって展開になる。

「お前だれだよ!」ってツッコミたくなったり、「そっちまで?!」って

びっくりしたり。

前半と後半では同じ映画とは思えないくらいのカオスっぷりがすごかったです。

絶対にこんな状況下におかれたくないって思いました。

 

キャンプに行くときはビデオカメラを持って行ったらダメだし、謎の鳴き声が

聞こえてきたらとっとと帰りましょう。

 

ちなみに観たかったほうの正しいエビデンスはこちら。

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1.2を争うほどの「!」【映画感想】マザー!

原題はそのまま「mother !」

どのサイトを見ても「衝撃作!」とか「賛否両論!」なんて書いてある。

これは要チェックや! と、某彦一になりつつ鑑賞。

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【あらすじ】

郊外に住む詩人の男とその妻。

詩人はスランプ中で、妻は火事で焼けてしまった家を修復しながら献身的に

その男をささえていた。

ある夜、夫妻の大きな家をホテルだと勘違いしたと言って現れた男。

不審な訪問者にも関わらず、夫は彼をにこやかに受け入れる。

そんな夫に戸惑いつつ、仕方なく客間の用意をする妻。

そして、翌日も新たな訪問者たちが現れ始めて・・・。

 

【感想】★★★☆☆

サイコスリラーとかミステリのジャンルになっているけど、どちらでもないような。

たしかに雰囲気はそんな感じで、訪問者たちはいったい何者なのか?

なぜ夫は彼らを受け入れるのか?という謎を解いていくストーリーかと

思って観ていたらとんでもなかった。

今まで観た中でも、ダントツ1位にぐいぐい迫るカオスな展開に。

 

意味深なオープニングから、始めは静かな感じで始まって行くんだけど、

途中からノンストップなカオス展開。

エンジンがかかった某仙道くんのように誰にも止められません。

 

ここまですごいのは、「エビデンス」くらいかと思います。

カオスに向かう方向が違うので比較できないかと思いましたが、

ついていけないくらいの、ちょっと置いてけぼりを食うほどの

展開が似てるような気がします。

(「エビデンス」については、他のブログに書いた感想をこの後

転載しますので、興味がある方はそちらもご覧ください。)

 

そして、このヒロインもジェニファー・ローレンスだと途中で気づきました。

色々な作品に出演してるんですね。

どれも雰囲気が全然違いますが、それぞれ見事に演じていて、映画界に

欠かせない女優さんになっています。

冒頭からすごくナチュラルな感じで出てるんですが、途中でメイクアップ

するシーンがあって、やっぱりすごく雰囲気が変わるなぁと思いました。

エド・ハリスミシェル・ファイファーもさすがの存在感。

不審な感じを過剰すぎずに演じていました。

 

タグ付けも悩み、★の数もどうつけていいやら・・・と困惑しましたが、

俳優たちの存在感と演技で★プラス1です。

でも、あまりオススメはできませんね・・・。

 

こちらのマザーハウスの方が100倍オススメです。

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こちらはB級ホラーのようなタイトルですが、謎が明かされていく後半の

展開が素晴らしいです。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

読むときは、反転させて読んでください。

 

最後まで見ても、なんのことやらわからず、ネタバレやオチの解説を

ググってやっと納得。

何かを暗喩しているのはわかったけど、こんなにわかりやすく

聖書だったとは。

「私は神だ」と男がいうセリフの字幕を「私は私だ」と読んで

しまい、わけがわからなくなったようです。

 

一度聖書だとわかってしまうと、最初の訪問者とその妻がアダムと

イブだとか、ケンカを始める兄弟がカインとアベルだとか、

次々と納得ができました。

 

でも、トイレに現れたエイリアンのような生き物はなんだったのか・・・。

生まれた赤ちゃんを階下に連れて行って、その結果死んでしまうのは

いいとして、それをあんな風にするシーンまで必要だったのか・・・。

家の2階が天界で1階が下界で、みんなが待ってるところに神である男が

エスを下ろすと考えると、その描き方はうまいなと思いましたが、

息子が死んでしまうところまででよかったんじゃないかと。

エスも人間によって処刑されてしまいますが、食べられたりしないし。

恐らくそのシーンが日本での公開中止の原因だろうと推測できますし。

 

どんどんと家の中がカオスになる中、銃を持った兵士まで現れて

戦地のようになるあたりは暴走しすぎかと思いましたが、

戦争が止むことのない世界を批判しているようにも感じました。

 

一般的に、神やイエスや下界での母にあたるマリア様はよく知られて

いるし、ノートルダムのようにマリア様に捧げられる教会はたくさん

あるのに、天界における母(今作の主人公)にスポットが当たる

ことがあまりないので、新しい視点だとも思いました。

 

こちらのポスターにはキーとなる物の絵がいくつか描かれて

いるようでそれを見つけるのは面白かったです。

それにしてもこのポスター、ある意味ネタバレだし、グロいし・・・。

まさに「!」な映画でした。

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