シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

蜘蛛の巣に囚われているのはリスベットかカミラか【映画感想】蜘蛛の巣を払う女

劇場で鑑賞。

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原題:The girl in the spider's web

 

【あらすじ】

背中にドラゴンのタトゥーを持つ天才ハッカーのリスベットは、桃太郎侍のように弱気を助け、悪しき鬼を退治していた。

科学者のバルデル博士は、米国国家安全保障局NAS)に依頼されて核攻撃制御ツールを開発したが、管理者から外されてしまったため、リスベットに奪還を依頼する。

リスベットはNASから簡単に制御ツールを盗み出すが、起動のための暗号がわからず

手出しができないでいると、覆面の男たちがリスベットを襲い、アパートごと爆破をしてしまう。

バスタブに逃げ込んだリスベットは、一命をとりとめるが、制御ツールをパソコンごと持って行かれてしまう。

バルデルは、待ち合わせ場所にリスベットが来ないとわかると、公安局に助けを求めに行き、一方リスベットはミカエルに会いに行く。

 

【感想】★★★☆☆

原題は、「蜘蛛の巣の中の少女」なので、普通に考えるとリスベットのことなのかと思いますが、カミラが父親の蜘蛛の巣に囚われていると深読みもできるなぁと思いました。

リスベットは少女のころに逃げ出したけど、カミラは16年間捕まったままなので。

 

 

オープニング~爆破されたマンションから逃げるまでは、ドラゴンタトゥーの女っぽかったのですが、その後は007のような展開でした。

リスベットも 007+Q(007)+アノニマス って感じのキャラ。

クレア・フォイのリスベットは、ちょっとかわいらしすぎな印象。

ルーニー・マーラの方がリスベットに合ってる気がしました。

ミカエルもダニエル・クレイグがよかったなぁ。

今回のスベリル氏は、ちょっと優男すぎる気がしました。

 

それにミカエルがいまいち活躍しなくて、残念。

前作がミカエル中心で、リスベットはサポートのような感じでバランスがよかったのですが。

ニーダムやハッキング仲間のプレイグの方が活躍してたような。

 アウグストくんは、かわいかったですね。

かしこそうだし、ナイスキャスティングだと思います。

 

前回はミステリ要素が強かったのですが、今回はアクション要素が多かったように思います。

 

まったく話に関係ないのですが、パトカーに書かれた文字を見て、スウェーデンでは、POLICEはPOLISって綴るんだなぁと思いました。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

パトカーに追われて、凍った湖の上をバイクで突っ走るシーンはクールでしたね。

めっちゃかっこよかったです。

北欧ならではの演出ですし。

CEOをやっつけちゃうシーンもよかったです。

いつの間にか入ってきて、翼を付けて現れるなんて。

リスベットォォォ!ってなりました。

ミカエルと再会するシーンもよかったです。

離れた建物のエレベーターの中で向かいあうなんて・・・。

この映画では、このシーンが一番好きです。

 

リスベットは、少女のころから父親の良くない側面を感じ取っていたのでしょうか。

カミラは「おいで」と言われて素直に従っているので、その頃はまだ虐待などはされていなかったと推測できます。

でも、虐待ってそんなに急に始まったりするものなのでしょうか。

そして、窓から飛び降りて逃げ出したリスベットはどうやって暮らしていたのか。

父親は、連れ戻そうとはしなかったのか。

これらもそのうち描かれるのでしょうか。

 

バルデルの隠れ家で、リスベットは薬品を打たれてしまいますが、アンフェタミンを吸引してなんとか意識を保つシーンがあります。

そこで、アンフェタミンってそこまで万能?って疑問に思ってしまいました。

打たれた薬が何かもわからないのに・・・。

イチかバチかに賭けたってことでしょうか。

それと、襲った男たちは迷いなくバルデルを殺しますが、息子がいれば暗号はわかるとわかっていたのでしょうか。

多分、わかっていたんでしょうね。

そうでなければ、バルデルは生きたまま連れて行きますよね。

その描写がなかったので、ちょっと不思議に思いました。

 

あと、つっこみたいことは、リスベットが仕掛けておいたカメラ。

あんなの真っ先に警察に回収されそう。

 

リスベットが、ニーダムをかわす道具や位置情報をハッキングして狙撃するなど、このあたりが特に007っぽかったなぁと。

位置情報のハッキングって、実際にできるんでしょうか。

あんな風に姿形までわかってしまうなら、怖いですね。

あと、上下に移動する橋のシーン。

ボタン、あんなに簡単に押せるところにあるんですね。(本当に?)

 

リスベットもタフだけど、飼ってるペットもタフ。

ペットは飼い主に似るってことかな?

お正月っぽい映画【映画感想】ジオストーム

劇場で鑑賞。

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画像の左下、宇宙戦争っぽい。

 

【あらすじ】

2019年、多くの自然災害に見舞われた人類は、18の国で力を合わせダッチボーイという気象をコントロールする防衛システムを構築した。システムの開発者で責任者のジェイクは、地球の監視をしていたが、アメリカの上院の査問会に呼び出され、その仕事に対して「ちゃんとやってんの?」といちゃもんをつけられる。キレたジェイクは、査問会の議長を罵倒し、責任者の地位を追われたジェイク。後任には弟のマックスが着任する。

2022年、アフガニスタンの村が村民ごと凍ってしまうという事件が起き、ダッチボーイの不具合が原因だとされた。管理をしているアメリカは緊急会合を開き、マックスはジェイクを不具合の修正のために宇宙へ送り込もうとするが・・・。

 

【感想】★★★★★

元旦なので、お正月らしい映画の感想を書こうと思って書いてなかった映画を思い出しました。

インデペンデンスデイもそうだけど、お正月ってこういうSF大作のイメージです。

 

これは、完璧にハリウッドのSF!お手本!って感じで、おもしろかった。

宇宙と地球とわかりやすく場面が変わるし、CGもすごいし、兄弟の絆っていうか、仲直りストーリーにちょびっと恋愛もからんで盛りだくさん。

もちろん、災害の描写も最初の村ごと凍結から、津波、マグマの噴火、竜巻、嵐などおせち料理状態で襲ってきます。

劇場で見てよかった・・・。

特に、津波からビキニ姿で逃げるおねーさんのシーンはちょっとハラドキしました。

CMのシーンです。

彼氏は凍っちゃったけど、おねーさんは逃げ切れるの?どうなの?って。

 

アクションの合間にクスッと笑えるシーンもあり、ストーリーもしっかりしてて、言うことないですね。

女性が活躍して、美味しいところを持って行くので、それもめずらしくていい感じでした。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

自然災害じゃないじゃん。というツッコミはおいておきましょう。

人災なんですが、その犯人探しも面白かったので。

激しいカーアクションの末、銃で追っ手を仕留めるマックスの彼女、サラを見て、大統領が、「(彼女と)結婚しろ」って言うシーンが面白かったですね。

彼女のカーアクションもすごかったし、仕留める姿もめちゃくちゃかっこよくて、しびれました。

 

ジェイクとマックスの会話で、父親が釣りで・・・と兄弟だからわかる暗号の会話をするシーンもよかったです。

宇宙では、ジェイクがダッチボーイの再起動をするためにヤンヤンして上手くいかなかったときに、ウーテがすっと現れて、「私はここに住んでるのよ」というシーンが光りました。脱出してると思いきや。ここでも女性が美味しいところを持っていいきました。

でも、宇宙ステーションを爆破するシステムがあるなら、非常用の脱出ポットくらいあるんじゃないかと思っちゃいます。逃げ遅れるやつのこと、想定するでしょ。

上手く脱出できるのもいいですね。ムダにアルマゲドンしなくて。

 

最後の釣りのシーンもいいですね。兄弟が仲直りできてよかったです。

これも、雨降って地固まる?

雨どころじゃないけど。

思ったより静か【映画感想】ベルリン・シンドローム

DVDで鑑賞。

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【あらすじ】

不動産会社に勤め、建物の写真を撮る仕事をしていたクレアは、思い立って

オーストラリアからベルリンに来ていた。

買い物したり、街の写真を撮ったりしながら、一人できままに過ごしつつ、ちょっとさみしげに歩いているところを一人の男性に声をかけられる。

「僕はアンディ。スポーツ学校で英語を教えてるんだ」

まんまとナンパされて、一緒に過ごしますが、その日は何事もなくドミトリーに送ってもらった。

次の日にはドレスデンに発つ予定だったが、なぜかベルリンにとどまってしまう。

アンディと再会したクレアは、その晩、彼の部屋に泊まるが、次の日、彼が出て行った

後に外に出ようとすると出られない・・・。

帰った彼に尋ねると「鍵を置いたと思った」と言われ、その日も泊まってしまうが、

次の日も彼の部屋から出られないことがわかる・・・。

 

【感想】★★★☆☆

もっとハラハラドキドキするような駆け引きが続くのかと思っていたら、わりと静か。

ハラハラはしますが、頻度は低いです。

アンディの目的はいまいちわからないのですが、途中、その原因となったような出来事が語られるので、その反動(?)なのかなぁと思ったりしました。

そして、思ったよりエロいです。

出るとこ出てるし。

 

テリーサ・パーマーの演技が地味にすごいですね。

期待、とまどい、絶望、恐怖などさまざまな表情が求められる役ですが、すべてみごとに演じ切っていました。

アンディは・・・。もともと表情が変わらないので、そこが怖いと言ったら怖いのですが、もっと豹変するのかと思っていたので、ちょっと期待外れでした。

 

あんな穏やかでいい人そうな感じの、しかもイケメンに監禁されてしまうなんて思わないですよね。

でも、実際の事件ってそんなもんだろうと思うし、何よりありえなくない話なので

そこがリアルで怖かったです。

大学生のときに、海外研修に行く前に、先生に「車には乗るな。密室だし、どこかに連れて行かれたら帰れないぞ」とおどされたことを思いました。

でも、本当にその通りだなと。

やっぱり旅先で初対面の人と二人きりで密室っていうのは避けないと。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

アンディの母親が二人を捨てて出て行ったことが、父親との会話でわかりますが、

それが監禁の心理的な要因だったのではないでしょうか。

女性は出て行ってしまうものといった歪んだ概念が幼いころのアンディに刻まれてしまったように思います。

そして、アンディは女性を好きになると出て行かないように監禁してしまう・・・。

そんなこと言ったら離婚して父子家庭の子供はみんなアンディみたいになってしまいますが。

きっと、何か決定的なことがあったのでしょう。

それがもう少しわかりやすく描かれていたら良かったと思います。

原因や理由が不明だとアンディがただの変態教師です。

その可能性も高いのですが。

 

父親の死は不意打ちでした。

帰ってきたアンディを慰めるクレアはまさにストックホルム・シンドロームって感じですね。

犯人に感情移入してしまう。

それでも逃げるのをあきらめない感じはよかったです。

ラストは結局彼のもとに戻ってしまうバッドエンドかと一瞬思いました。

 

アンディがピンクの下着を買ってくるところはなんか違いましたね。

アンディ自身もそう思ってたようですが。

 

ラストの方もいまいち何がどうなってるのかわかりにくく・・・。

アンディの部屋、ドアが多くて間取りが複雑です。

フランカも、一人でアンディの部屋にのりこまずに警察に通報すればいいのに。

写真を落としちゃったから信じてもらえないと思ったのかな。

とにかく戦慄のラストではなかったです。

 

途中まで「わたしならどうやって逃げるか」を考えながら見ていました。

とりあえず、ドアが木製のようなので、奥に火が来ないようにしてドアを燃やすかな。

ガス、クレアが一人の時もついたよね?

静かな感動【映画感想】メッセージ

DVDでやっと鑑賞。

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原題:ARRIVAL

 

【あらすじ】

突然、世界各地12か所に謎の飛行物体が現れ、有能な言語学者のルイーズはその中にいる2体の地球外生命体とコミュニケーションをとるために、アメリカ軍大佐のウェバーに召集される。同じように連れて来られた物理学者のイアンとともに彼らの言語を解読していき、最終的に彼らが地球に飛来した目的を尋ねようとしていた。

地球外生命体をヘプタポッド(7本の足)と名付け、コミュニケーションを重ねていくが、ルイーズは同時に病で死ぬ娘のフラッシュバックを見るようになる。

 

【感想】★★★★☆

ばかうけとのコラボポスターとは対照的におもっきしシリアスな内容でした。

でも、あのポスターみたいな企画は大好きです。

後半で、静かに感動しました。

ほとんどが彼らとのコミュニケーションと言語解読で進んで行き、エイリアンが出てくるのにほとんど戦わず、ドンパチもしない、とても新しいSFだと思います。

感動も今までないようなものでした。

それをわかっていて鑑賞しないと期待外れかもしれません。

 

始まり方やラストシーンなどから考えるとどちらかというと、ルイーズの話が核なんだと感じました。

インテリな学者として描かれていますが、最後の選択はとてもエモーショナルです。

 

イアンは、2体のヘプタポッドをアボットコステロと名付けますが、そのフォルムもなかなかいいですよね。彼らの墨を吐いて書かれる言語も、彼らには時の流れがないという設定もいいです。

本当に宇宙人がいたら、私たちの常識とはかけ離れているだろうし、想像もつかない生命体だと思うんですよね。

彼らが来た目的が、最後の方までわからないのでミステリとしても楽しめました。

 

展開も読めないので、面白かったですね。

 

そして、飛行物体は、横倒しになるとあまりばかうけっぽくないことがわかりました。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

ひとつ曖昧でわかりにくかったのですが、アボットは、軍の一部の将校が仕掛けた爆弾によって死の淵に行ってしまったのでしょうか。ルイーズが、その後謝っていたのでそうだと思うのですが。

自分を犠牲にしてまでルイーズとイアンを助けたアボット、なんていい奴。

それなのに人間たちはなんて好戦的なのでしょう。

実際、こんな事態になったらどこの国が一番に攻撃してしまうのか、ちょっと気になりました。

 

ルイーズの娘のフラッシュバックは、本当は未来の記憶であるフラッシュフォワードだとわかるんですが、私はかなり後半でそれを理解しました。

Wikipediaのあらすじなんかを読むと、ルイーズが娘を持ったことがないことが書かれていて、その記憶が未来のものであると初めからわかるような書き方なんですが、わかりやすい描写ってありましたっけ?

明らかに過去の記憶のようにミスリードさせてひっぱってると思ったのですが。

それに、娘とのシーンのルイーズの方が若く見えるのはちょっとずるいなって思いました。

でも、ハンナがイアンとの子供だということは、ハンナが言葉を聞きにルイーズのもとに来たときに「数学のことならパパに聞いて」というルイーズのセリフでなんとなくわかりました。

 

ラストでルイーズはイアンとの未来を選びますが、きっと幸せな感情もフラッシュバックの中にあったんでしょうね。

 

とにかく新しくて静かな作品でした。

イメージ通りのギア様【映画感想】真実の行方

イメージ通りのギア様が見たくなり、オータム・イン・ニューヨークをレンタル

しようとしたが、レンタル中で手に入らなかったため代替品。

知り合いのTSUTAYAスタッフの方にオススメされて以来、ずっと気になっていたので即決。

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原題:primal fear(最初の恐怖)

右側英文訳:

遅かれ早かれ、二つの仮面をかぶる者はどちらが本当の顔か忘れてしまう

 

【あらすじ】

敏腕弁護士のマーティンは、雑誌の表紙になるほどの名声を得ていた。

そんな折、シカゴの大司教の殺害事件で容疑者となった少年、アーロンが大司教の家から血まみれで逃走し、逮捕される。

その様子をテレビで見たマーティンは、話題性の高い事件だと思い、すぐさま無償でアーロンの弁護を買って出る。

アーロンの供述は、「本を返しに行ったら、大司教はおらず、寝室から物音がしたのでそちらに行ってみると、血まみれで倒れる大司教の上に男が覆いかぶさっていて、それを見た後、気絶したためしばらく記憶がなく、気がついたら血まみれでパトカーのサイレンが聞こえて来たから、怖くて逃げだした・・・」というもの。

無罪を主張する19歳の少年を助けるために、マーティンがあれこれヤンヤンする話。

 

【感想】★★★★☆

知的でスマートで色気あふれるギア様にノックアウト。

これまで、「Shall we dance?」しか見たことなかったけど、すっかりやられてしまいました。

「嘘はフィクサーのはじまり」とは違い、インテリジェンスな雰囲気で自信たっぷりに話すギア様は、本当に別人のよう。

 

そして、エドワード・ノートンが若い。

彼がアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた作品だけど、賞をとるのに十分すぎるほどの演技。

ギルバート・グレイプ」のレオナルド・ディカプリオを思い出し、やはり実力のある俳優さんは、若いころから演技のレベルが高いなぁと感心。

(と思ったら、この作品内では19歳だけど実年齢は27歳なのね。

それはそれですごい)

 

ヒロイン役(?)のローラ・リニーが吉田羊に似ていて、しかも検事役だし、木村拓哉主演のHEROをキャスティングした人は、この映画を観てるんじゃないかと思いました。

彼女たちは美人でキリッとしていて、強気なインテリ検事の役がよく似合いますね。

ローラの細い指も細いタバコによく似合っていました。 

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ローラ・リニー

 

ストーリーは、法廷物で大司教殺しの裁判を中心に進んで行きますが、州検事ショーネシーの投資するマンション開発工事の件もはさまれて、なかなか複雑でミスリードもあり、どう転ぶのかが読めなくてよかったです。

正しくは、大体の筋は読めるけれど、結末がどうなるのかがわからなかった。

パッケージの裏のあらすじも読まずに見始めたのがよかったんだと思う。

予備知識なしで見るのがオススメです。

話の流れが小説っぽいと思ったけど、やはり同名小説の原作があるよう。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

結末は、「ええええ!そうなっちゃいます?」ってなりましたね。

本当に二重人格なのか、ただの演技なのかハッキリしないのですが、私は二重人格だと思いたいです。

というより、多重人格なのではないでしょうか。

ロイとアーロンともう一人。

最後の顔はどちらの存在も知っていて、記憶も二人と共有する第三の人格。

うーん、ちょっと苦しいですね。

凶暴な性格と表情はロイそのものだし、ジャケットの英文にもはっきり「二つの顔」と書いてありますし。

最後の失言は、マーティンをも騙し切るロイらしくないですね。

わざと言った可能性の方が高いと思いました。

 

“B32‐156 ”と胸に刻まれていて、それが本の整理番号だったり、ギャングが水死体で発見されるなどドラマティックなシーンやマーティンと元刑事の相棒が二人でアレックスを追いかけるアクション的なシーンもわずかにあったりして面白かった、

トレンチコートの2人組がアレックスを追いかけるシーンはあぶ刑事のようで、今にもガードレールが出てきて飛び越えてくれるんじゃないかと期待してしまいました。

 

ジャネットを口説くギア様はさすがといった感じ。

ジェントルマンで、嫌がれば無理強いしません。

元師弟関係という二人の関係もいいですよね。

「法廷ではタイミングを外さないのに法定外ではヘタね」とジャネットに言われてしまいますが、それも作戦のうち?

ふたりがどうなったのか、とても気になります。

真実を知ったマーティンが約束したバーで荒れて、酔いつぶれ、それを迷った末にバーに来たジャネットが家に連れて帰り、介抱する姿を妄想してしまった。

あらすじを読むと元恋人となってるけど、以前ワンナイトで関係しただけで、その後本気になったマーティンが彼女を口説いてるんだと思いながら見ていました。

 

アーロンが二重人格だとわかり、バーで記者に愚痴りながら「罪が証明されるまで人は無実。僕は基本的に人は善だと信じている。

犯罪は悪人が犯すものとはかぎらない。

よい人間がとんでもない犯罪を犯すことがある・・・」と話すマーティンはかっこよすぎでしょ。

その後、「活字にしたら訴える」と言いおいて、ウィンクして立ち去るシーンなんてもう鼻血出るかと思いました。

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ギア様、お酒がよく似合います。

若きハンニバルマッツ・ミケルセンはワインが似合いますが

ギア様はウィスキーが似合いますね。

 

原題のprimal fear とは、本当に悪い奴を弁護して、収監ではなく病院に送ってしまい、その後に予測される展開に対する不安や恐怖・・・といったところでしょうか。

敏腕弁護士だけに、初めての心境だったのでしょう。