思ったより静か【映画感想】ベルリン・シンドローム
DVDで鑑賞。
【あらすじ】
不動産会社に勤め、建物の写真を撮る仕事をしていたクレアは、思い立って
オーストラリアからベルリンに来ていた。
買い物したり、街の写真を撮ったりしながら、一人できままに過ごしつつ、ちょっとさみしげに歩いているところを一人の男性に声をかけられる。
「僕はアンディ。スポーツ学校で英語を教えてるんだ」
まんまとナンパされて、一緒に過ごしますが、その日は何事もなくドミトリーに送ってもらった。
次の日にはドレスデンに発つ予定だったが、なぜかベルリンにとどまってしまう。
アンディと再会したクレアは、その晩、彼の部屋に泊まるが、次の日、彼が出て行った
後に外に出ようとすると出られない・・・。
帰った彼に尋ねると「鍵を置いたと思った」と言われ、その日も泊まってしまうが、
次の日も彼の部屋から出られないことがわかる・・・。
【感想】★★★☆☆
もっとハラハラドキドキするような駆け引きが続くのかと思っていたら、わりと静か。
ハラハラはしますが、頻度は低いです。
アンディの目的はいまいちわからないのですが、途中、その原因となったような出来事が語られるので、その反動(?)なのかなぁと思ったりしました。
そして、思ったよりエロいです。
出るとこ出てるし。
テリーサ・パーマーの演技が地味にすごいですね。
期待、とまどい、絶望、恐怖などさまざまな表情が求められる役ですが、すべてみごとに演じ切っていました。
アンディは・・・。もともと表情が変わらないので、そこが怖いと言ったら怖いのですが、もっと豹変するのかと思っていたので、ちょっと期待外れでした。
あんな穏やかでいい人そうな感じの、しかもイケメンに監禁されてしまうなんて思わないですよね。
でも、実際の事件ってそんなもんだろうと思うし、何よりありえなくない話なので
そこがリアルで怖かったです。
大学生のときに、海外研修に行く前に、先生に「車には乗るな。密室だし、どこかに連れて行かれたら帰れないぞ」とおどされたことを思いました。
でも、本当にその通りだなと。
やっぱり旅先で初対面の人と二人きりで密室っていうのは避けないと。
この先は、ネタバレになってしまうので、
未鑑賞の方はご注意ください。
文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、
反転させて読んでください。
アンディの母親が二人を捨てて出て行ったことが、父親との会話でわかりますが、
それが監禁の心理的な要因だったのではないでしょうか。
女性は出て行ってしまうものといった歪んだ概念が幼いころのアンディに刻まれてしまったように思います。
そして、アンディは女性を好きになると出て行かないように監禁してしまう・・・。
そんなこと言ったら離婚して父子家庭の子供はみんなアンディみたいになってしまいますが。
きっと、何か決定的なことがあったのでしょう。
それがもう少しわかりやすく描かれていたら良かったと思います。
原因や理由が不明だとアンディがただの変態教師です。
その可能性も高いのですが。
父親の死は不意打ちでした。
帰ってきたアンディを慰めるクレアはまさにストックホルム・シンドロームって感じですね。
犯人に感情移入してしまう。
それでも逃げるのをあきらめない感じはよかったです。
ラストは結局彼のもとに戻ってしまうバッドエンドかと一瞬思いました。
アンディがピンクの下着を買ってくるところはなんか違いましたね。
アンディ自身もそう思ってたようですが。
ラストの方もいまいち何がどうなってるのかわかりにくく・・・。
アンディの部屋、ドアが多くて間取りが複雑です。
フランカも、一人でアンディの部屋にのりこまずに警察に通報すればいいのに。
写真を落としちゃったから信じてもらえないと思ったのかな。
とにかく戦慄のラストではなかったです。
途中まで「わたしならどうやって逃げるか」を考えながら見ていました。
とりあえず、ドアが木製のようなので、奥に火が来ないようにしてドアを燃やすかな。
ガス、クレアが一人の時もついたよね?