シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

1.2を争うほどの「!」【映画感想】マザー!

原題はそのまま「mother !」

どのサイトを見ても「衝撃作!」とか「賛否両論!」なんて書いてある。

これは要チェックや! と、某彦一になりつつ鑑賞。

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【あらすじ】

郊外に住む詩人の男とその妻。

詩人はスランプ中で、妻は火事で焼けてしまった家を修復しながら献身的に

その男をささえていた。

ある夜、夫妻の大きな家をホテルだと勘違いしたと言って現れた男。

不審な訪問者にも関わらず、夫は彼をにこやかに受け入れる。

そんな夫に戸惑いつつ、仕方なく客間の用意をする妻。

そして、翌日も新たな訪問者たちが現れ始めて・・・。

 

【感想】★★★☆☆

サイコスリラーとかミステリのジャンルになっているけど、どちらでもないような。

たしかに雰囲気はそんな感じで、訪問者たちはいったい何者なのか?

なぜ夫は彼らを受け入れるのか?という謎を解いていくストーリーかと

思って観ていたらとんでもなかった。

今まで観た中でも、ダントツ1位にぐいぐい迫るカオスな展開に。

 

意味深なオープニングから、始めは静かな感じで始まって行くんだけど、

途中からノンストップなカオス展開。

エンジンがかかった某仙道くんのように誰にも止められません。

 

ここまですごいのは、「エビデンス」くらいかと思います。

カオスに向かう方向が違うので比較できないかと思いましたが、

ついていけないくらいの、ちょっと置いてけぼりを食うほどの

展開が似てるような気がします。

(「エビデンス」については、他のブログに書いた感想をこの後

転載しますので、興味がある方はそちらもご覧ください。)

 

そして、このヒロインもジェニファー・ローレンスだと途中で気づきました。

色々な作品に出演してるんですね。

どれも雰囲気が全然違いますが、それぞれ見事に演じていて、映画界に

欠かせない女優さんになっています。

冒頭からすごくナチュラルな感じで出てるんですが、途中でメイクアップ

するシーンがあって、やっぱりすごく雰囲気が変わるなぁと思いました。

エド・ハリスミシェル・ファイファーもさすがの存在感。

不審な感じを過剰すぎずに演じていました。

 

タグ付けも悩み、★の数もどうつけていいやら・・・と困惑しましたが、

俳優たちの存在感と演技で★プラス1です。

でも、あまりオススメはできませんね・・・。

 

こちらのマザーハウスの方が100倍オススメです。

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こちらはB級ホラーのようなタイトルですが、謎が明かされていく後半の

展開が素晴らしいです。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

読むときは、反転させて読んでください。

 

最後まで見ても、なんのことやらわからず、ネタバレやオチの解説を

ググってやっと納得。

何かを暗喩しているのはわかったけど、こんなにわかりやすく

聖書だったとは。

「私は神だ」と男がいうセリフの字幕を「私は私だ」と読んで

しまい、わけがわからなくなったようです。

 

一度聖書だとわかってしまうと、最初の訪問者とその妻がアダムと

イブだとか、ケンカを始める兄弟がカインとアベルだとか、

次々と納得ができました。

 

でも、トイレに現れたエイリアンのような生き物はなんだったのか・・・。

生まれた赤ちゃんを階下に連れて行って、その結果死んでしまうのは

いいとして、それをあんな風にするシーンまで必要だったのか・・・。

家の2階が天界で1階が下界で、みんなが待ってるところに神である男が

エスを下ろすと考えると、その描き方はうまいなと思いましたが、

息子が死んでしまうところまででよかったんじゃないかと。

エスも人間によって処刑されてしまいますが、食べられたりしないし。

恐らくそのシーンが日本での公開中止の原因だろうと推測できますし。

 

どんどんと家の中がカオスになる中、銃を持った兵士まで現れて

戦地のようになるあたりは暴走しすぎかと思いましたが、

戦争が止むことのない世界を批判しているようにも感じました。

 

一般的に、神やイエスや下界での母にあたるマリア様はよく知られて

いるし、ノートルダムのようにマリア様に捧げられる教会はたくさん

あるのに、天界における母(今作の主人公)にスポットが当たる

ことがあまりないので、新しい視点だとも思いました。

 

こちらのポスターにはキーとなる物の絵がいくつか描かれて

いるようでそれを見つけるのは面白かったです。

それにしてもこのポスター、ある意味ネタバレだし、グロいし・・・。

まさに「!」な映画でした。

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ロシア産E.T【映画感想】アトラクション ー制圧ー

TSUTAYAで、DVDの本数が多く、よくレンタルされているようだった

ので気になって鑑賞。

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【あらすじ】

ある日、モスクワ上空に未確認飛行物体が現れ、軍によって攻撃された

それは住宅街に墜落し始める。

その日、高校生のユリアは、学校の授業で隕石雨が降るから

観測するようにと言われる。

軍司令官のユリアの父は、「高いところは人が集まるから危険だ」

と言って観測に行くことを許してはくれなかった。

しかし、絶賛反抗期中のユリアは父の制止を無視して

恋人のチョーマと友人のスヴェタと一緒に、マンションの屋上で

隕石雨を待っていた。

そのうち、チョーマに誘惑されてスヴェタの部屋に行き、

イチャイチャし始める。

そんな中、コントロールを失った宇宙船が、スヴェタの目の前に

墜落してきて・・・。

 

【感想】★★★★☆

ロシア産インデペンデンスデイだと思って観てみたら、全然そうでは

なかった。

侵略目的で宇宙船がやってきて、地球の軍隊とドンパチして

一般市民がワーワー言いながら逃げるパニックアクションだと

思っていたら、最初の墜落シーンがピークで後は尻つぼみの展開。

 

かといって、つまらないわけじゃなく、

「あ、これはロシア産E.Tなんだ」と気づいて頭を

切り替えたらそこそこ面白かった。

 

冒頭の墜落シーンのCGは見事で、劇場で観たかったと思うくらいだった。

墜落シーンとイチャイチャシーンと逃げ惑う人々とのシーンが上手く

重なりあい、一見するとミスマッチな音楽が絶妙にマッチしていて

鑑賞後にそのシーンだけ見直してしまった。

そこだけ観ても損はないと思う。

 

防護服のデザインもカエルみたいなフォルムで面白かったし、宇宙船自体も

綺麗だった。

ユリアちゃんは、高校生のわりに大人っぽい外見でロシア的な美人。

やってきた宇宙人もかっこよかった。

優男風なのに、アクションもいけまっせ!な感じが意外でいいですね。

 

エンドロールを観ながら、キリル文字と宇宙空間の相性っていいんだなぁと

変なところに感心したり。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

読むときは、反転させて読んでください。

 

チョーマが最初は、ユリアが落ちないように必死に手をつかんでたり、

スヴェタが亡くなったことを知ったときに慰めたり、いい奴風なのに

 途中から反転しましたね。

そうでもしないとヘイコンと敵対する人物がいなくなっちゃうもんね。

 

防護服に火をつけられても一瞬で消える場面とか、宇宙船が宇宙に帰る

シーンとかヘイコンの故郷の星のシーンとか、どれも水が上手く使われていて

幻想的でよかった。

特に宇宙船が飛び立つところは素敵。

水を引き寄せて宇宙船を修復するって言う設定も面白いと思いました。

 

防護服の動きもスピーディで独特だし、ヘイコンとの格闘シーンも

CGぽさが、いい意味でなくて、映像技術の進化を感じました。

ヘイコンは優し気な感じなのに、アクションになるとヒョイヒョイと

身軽に動けてすごい。

ユリアと一緒に食事をするシーンでトルティーヤみたいなものに

ラディッシュソース(?)をたっぷり塗って食べちゃうシーンは

すごくありがちなんだけど、ヘイコンの表情がかわいくてとても

微笑ましかった。

笑顔の練習をするシーンのときも、ヘイコン役の人は宇宙人ぽい演技が

上手いなって思った。

 

宇宙船の中で父が聞く話が考えさせられる。

宇宙から見たら地球ほど野蛮な星もそうそうないだろうな。

 

結局、故郷の星へ帰りたいというE.T、ヘイコンを帰してあげようと

ヤンヤンするユリアの話でした。

でも、ユリアって聞くとどうしてもこっち。

YouShock!

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ハラドキSFミステリー【映画感想】パンドラム

ある映画を観て、SF映画をもっと観たくなって探してたどり着いた作品。

もっと早く観るつもりが、けっこう時間が経ってしまい、

なんの映画がきっかけだったか忘れた・・・(;´Д`)

 

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【あらすじ】

2147年、水と食料不足に陥った地球。

人類は、移住できる星「タニス」を見つけ、宇宙船エリジウムにクルーと

乗客を乗せて打ち上げた。

船内の睡眠カプセルで目覚めるバウアー伍長。

しかし、睡眠カプセルの副作用で記憶を失っていた。

その数時間後に睡眠カプセルに入っていたペイトン中尉も、覚醒する。

他のクルーがいないことに気づいた二人は、船内の捜索を開始するが・・・

 

【感想】★★★★☆

思ったより複雑な話で面白かった。

SFで宇宙船の中で何かが起こるってくらいの情報しかないまま観たのが

よかったと思う。

暗くて何が起こってるかわかりにくい場面もあったけど、先が読めなくて

ただのパニックSFとは一線を画していた。

だんだん設定とか背景がわかってくるのが、「月に囚われた男」に

似てる。

ハラドキ(ハラハラドキドキ)のシーンも多いし、逃げるときの

スピード感もいいし、謎が多いのもいい。

記憶喪失って設定には、どうも惹かれてしまう。

 

ペイトン中尉が渋くてかっこよかったし、ヒロインのナディアも強くて綺麗で

かっこよかった。

ウォーキングデッドのダリルに似ている人が出てるなって思いながら

観てたんだけど、後で調べたらノーマン・リーダスご本人でした。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

読むときは、反転させて読んでください。

 

ネタバレタイトルは、

パッセンジャー月に囚われた男+コロニー5」

序盤はただのエイリアンものかと思って、少しがっかりしたんですが、

 全然それだけでは終わらなくて面白かった。

やっぱり共食いをすると生物っておかしくなるんですね。

でも、自分の持ってる武器を相手に渡しちゃったりして、

人間らしい一面があったのが、ちょっと変な感じでした。

 

ペイトン中尉と話している若いクルーが、ペイトン自身だったのが

意表をつかれてよかった。

鎮静剤を打つ少し前にならないと気づけなかった。

他にも、実はタニスにとっくの昔に不時着してたとか、

エイリアンかと思ったら人類の変異した姿だったとか、

小さいけれどたくさんのどんでん返しがあって、飽きずに

観られたな。

人間の怖さも、モンスター的な怖さもあっていろんな角度から

楽しめる作品。

アクションもそこそこあるし。

ハッピーエンドなのも、意外でよかった。

タニスの海中の生物が綺麗だったし、大きな月(?)が見えるタニスの空も

素敵だった。

生物学者なのにナディア強すぎとか、あの連中も海から出てきたりしないの?とか

細かいツッコミはできるけど、そんなこと言ってたら映画観れないよね。

コーヒーに入れちゃダメ! なクリープ【映画感想】CREEP

他のブログから転載。(2016年04月30日)

転載時に★2つから3つに変更。

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風邪が完治しないので、また映画を観ました。

NETFLIXと言う、動画配信で。

最近、お気に入りの映画ブログがあって、そこで紹介されていたので

観てみることにしました。


【あらすじ】★★★☆☆

「オッス、おら変態!今日も気持ち悪いことしちゃうぞ!」って感じで、

映像作家を雇い、ヤンヤンする話。

見た目は普通のおじさんが、悪ふざけをしていく。そして・・・


【感想】

「低予算過ぎる・・・」って言うのが、最初の感想。

登場人物2人だよ。

100万あったら、作れちゃうんじゃない?

POVだし。

POVの理由は、すごくはっきりしていてよいと思うし、

リアル感が上手く出せてる。

それから、観ているこっちまで変態じゃないかって

思ってしまうくらい、このおっさん、気持ち悪い。

タイトルに偽りなしです。


そして、先が読めないのがいい。

大作はどうしても先が読みやすいけど、これは、予測不能

だって、話を動かす人が変態さんだもの。

読めたら、お仲間になっちゃう。

でも、この変態っぷりが途中まではギリギリのラインで上手い。


最後まで見ると、現実味がないので、ちょっとほっとします。

こんなのすぐにFBI の標的です。

「クリミナル・マインド」と言う、犯罪心理学を駆使して

犯人を捕まえるFBIのグループが題材の海外ドラマが

あるのですが、そのグループのリーダーの名前がアーロン。

そして、この映画の主人公もアーロン。

偶然じゃなさそう。


しかし、このアーロンが優しすぎるというか、

警戒心がなさすぎるというか・・・。

他のタイトルを付けるとしたら、「志村~、うしろ、うしろ~!」です。

「早くFBI のみんな来て~!」ってなる。

絶対にオススメはしませんが、(むしろ、観ない方がいいって言える)

伏線や、その回収、先の見えない緊迫感などで楽しめました。

これは、忘れられない映画になりそう。

 

*画像は、上がコーヒーに入れちゃダメなクリープ。

 下が入れていいクリープ。

I know アンノウンs.【映画感想 アンノウン】

他のブログから転載。(2016年04月29日)

転載するときにちょっと編集。

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【あらすじ】

植物学者が学会のためにベルリンにやってきて、交通事故にあい

記憶をなくし、ヤンヤンする話。

「俺はいったい誰なんだー」って、カーチェイスしたり、敵を倒したり倒されたり。

 

【感想】★★★☆☆  

原作があるからか、起承転結があって、よくできてる。

もちろんツッコミどころはあるけど、そんなこと言ってたら

ハリウッド映画なんて観られないよってくらいのレベル。

 

リーアム・ニーソンは、客観的に見ればかっこいいんだろうな。

ただ、好みではない。

個人的には、ケビン・ベーコンゲイリー・オールドマンの方が好き。

どうやら、顔長い人が好きみたい。

かと言って、馬が好きかって言えばそうでもない。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

読むときは、反転させて読んでください。

ネタバレ感想の後も、ちょこっと続きがあります)

 

上に書いたツッコミどころは、暗号が、簡単すぎない?とか、

一番大事なカバンを忘れたりする?とか。

読めたところと、裏切られたところが半々くらい。

記憶をなくしているほうがいい人だな・・・って言うのが序盤の感想で

それが正しかった感じ。

主人公の妻が、「I LOVE YOU」と言うシーンがあるが、そのシーンの彼女の

表情がすべてを物語っている気がする。

 

 

 

タクシーの運転手の方が、主人公の妻より好きな顔だなって思ってたら、

ヒロインはそっちだった。

発音がイギリス人っぽいなって思ってたら、ドイツ人。

大外れ。

不法移民の役だったが、セリフ回しが上手かったと思う。

ラストがイマイチだったのが残念。


結論:やっぱりもうひとつの「アンノウン」の方が好き。

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お金をかけないでもおもしろいのが、B級ってやつで、お金をかけて面白いのが

ハリウッド映画。

阪神ジャイアンツみたいな感じと言ったら近いかな?

 

*タイトルのアンノウンsのsは複数形のsです。

(二つの)アンノウンと言う映画を知ってますよって意味。