シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

流行りの黒い液体【映画感想】インバージョン 転移

サマー・インフェルノと似たジャケット。

こちらの方が面白そうだったので鑑賞。

 

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【あらすじ】

小屋のような部屋の中で意識を取り戻す一人の青年。彼は記憶を失っていた。

鏡を見ると、口元や洋服は黒い液体で汚れ、頭や体には気泡のようなものが。

持っていた財布から写真と免許書が出てきて、アダムという名前を知る。

壁には「REMEMBER(思い出せ)」の文字と彼自身が描いたらしい女性の絵。

窓には板が打ち付けられ、「だれも入れるな」の文字もある。

そのうちに記憶が少しずつ戻ってくるが、知らない人の記憶も混じっているらしく、

混乱しながらも、記憶を整理しようと壁にキーワードを書き始める。

 

【感想】★★★★☆

原題はThe Hive ハチの巣って意味みたいです。こちらではなじみがない単語なので

邦題つけたはいいけど、やっぱりなじみがない単語でした。インベージョンと似てて

まぎらわしい。内容は少し似てる気がするが。

 

ホラーというよりはSFミステリで、謎解きの部分が大きい。もっとゾンビみたいに

襲われるのかと思ってたら、全然そうではなく、襲われるには襲われるけど、生ぬるい

です。

場面がよく変わり、3軸あるので、この手の映画を見慣れてない人は混乱して

しまうかも。

バタフライエフェクトよりは複雑で、メメントよりはわかりやすいです。

 

黒い液体を吐かれて「我々」の一部になってしまう原因はウィルスのようなのですが、

どちらかというと宇宙人に意識を乗っ取られるのに近い気がしました。

そのヴィジュアルと話し方は悪魔憑きのようで、いつエクソシストが出てきても

大丈夫そうな感じ。

なんにしても、人間の意識をのっとって何がしたいのかわからないです。

「我々」としてすべての人の意識と記憶を統一して何がしたいのか・・・。

SNS批判のようにも感じましたし、エヴァンゲリオン人類補完計画

思い出したりしました。碇ゲンドウが目指していたのはこれか?!みたいな。

 

それでも、観ていて飽きたりしませんでしたし、構成も面白いと思いました。

ラストも無理なく最初につながっていい感じでした。

もうちょっとハッピーエンドでもよかったかも。

ちょこっとだけコメディのようなところがあって、いいスパイスになっていました。

ストーリーには全然関係ないのですが。

 

それにしても、アダムの友人クラークがいい感じにイヤなやつでした。(褒めてる)

自分の彼女のジェスが死にそうで助けを求めてるのに助けに行かないし、それでいて

アダムとケイティが助けて落ち着いた後は、「必ず助けてあげる」とか調子のいいこと

言うし、キャンプに来ていた子供たちを置いて逃げようとするし。

(彼らはどうやらキャンプの指導員として山に来ているらしいです。)

4人もいたら一人はこんなキャラなのが王道なのかも。

その分、主人公の性格がよく見えるしね。

 

このようなジャケットと黒い液体を吐くのは最近の流行りなのでしょうか。

確かサマー・インフェルノも似たようなジャケットと黒い液体。

キラー・インフェルノも似たようなジャケットなので、皆さんお間違えなく。

もう一息【映画感想】サマー・ヴェンデッタ

季節外れですが、気になったのでDVDで鑑賞。

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【あらすじ】

1960年にフィンランドのボドム湖でキャンプをしていた若者4人のうち、3人が殺された。残る一人も事件後に発狂。犯人はまだ捕まっておらず、それを再現しようと4人の若者がボドム湖を訪れる。何事もなく過ぎていくかのように思われたが、イーダの目の前でアッテが殺されてしまい・・・。

 

【感想】★★★☆☆

原題はBODOM。

パッケージから想像するよりはスプラッターな場面はなく、よかったです。ホラーと

いうよりはミステリです。

キャンプに行くのは、ちょっと不良っぽいエリアスとオタクっぽいアッテ、引きこもっ

ていたイーダと親友のノーラ。

物語が進むにつれ、イーダがなぜ引きこもっていたかがわかります。そして、ある場面

からスィッチが切り替わり、展開がわからなくなりました。

でもその場面を見た時は、誰がナイフを握っているのかはわかりましたね。

 

実際の事件でも一人が生き残り、犯人として逮捕されたりしています。結局、証明でき

ずに釈放されているようですが。

よくわからなかったのが、ノーラの父親が自殺していたというくだりと朝食に間にあう

という、誰かと待ち合わせしているかのような二人の会話。

ノーラの父親の件は、序盤に出て来ただけでそのあとは触れられませんし、朝食の件も

そうです。

それから、季節もよくわかりません。タイトルにもサマーとあるし、夜に泳いでるので

多分夏だと思うのですが、出てくる人たちはジャンパーやセーターを着てたりするんで

すよね。携帯も出てこないので、時代設定もいまいち不明です。

 

アッテが殺された後、3人で逃げるのですがノーラが足をくじいて、「置いて行って。助けをよんで」と言います。こんな状況で一人で置いて行かれるのは絶対に嫌だなって思いました。

アッテの目的は事件の再現だったのですが、これといって特別なことをするでもなく、拍子抜けでした。アッテの母親が事件に関係してたりしたら彼の動機もわかってよかったのですが。

 

オチは、なんとなくスッキリしないですね。

イーダの事件の真相は意外で面白かったです。

悪いことすると罰が下りますよってことでしょうか。

静かに真相を追いかける話【映画感想】ダーク・プレイス

旧作になっていたのでDVDで鑑賞。

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【あらすじ】

幼いころ一家惨殺事件から一人生き残ったリビー。彼女の証言から、兄のベンが犯人と

して終身刑先刻された。それから支援金や自伝出版などのお金などで暮らしてきた

リビーは、残金が少なく困り始めていたところ、殺人クラブから連絡をもらう。

お金のために参加して、そこで事件の話をすると、兄は無罪だと主張される。

さらにお金をもらい、その真相を追い始めることになったリビーだが・・・。

 

【感想】★★☆☆☆

 TSUTAYA先行レンタルってことで気になっていたのですが、普通のミステリでし

た。淡々と真相が描かれていく感じで、BGMも最小限に静かに静かに進みます。

現在と過去が交互に描かれることだけは予習しておいたらよかったと思いました。

いきなり過去の場面になったので、よくわからなかったのです。後でわかって、

ストーリーは頭の中で補完されましたが。

大人になったリビーは孤独で、かなりすさんだ感じでした。彼女のイメージが想像と違ったかな。もっと清純派のヒロインだと思っていました。

 見終わるまでぜんっぜん気づかなかったのですが、鍵を握る少女がクロエ=

グレース・モレッツでした。子役はちょっと大きくなると顔が変わるのでわからないで

すね。ベンの彼女役で、かわいいなって思っていましたが、なかなかのビッチです。

『モールス』のころよりふっくらしたかな?ベンもなかなか雰囲気ある感じでよかった

ですね。でも、一番はリビーの幼少期を演じたスターリング・ジェリンズ。めちゃめ

ちゃかわいかったのですが、出番が少なく残念。シャーリーズ・セロンも普通にキレイ

でした。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

読むときは、反転させて読んでください。

 

リビーがなぜ兄が犯人だと証言したのかがわかりません。性的虐待を受けていて、なん

とかしたかったとか、誤解をされるようなシーンがあったらよかったのですが。

リビーもディオンドラを助けるためとはいえ、28年間も服役しているなんて。本当の

犯人は捕まっていないのに、それでいいのかベン!?って思っちゃいましたね。

結局、彼女は捕まってしまうし。母親の覚悟とか紹介してくれたおじさんの優しさなど

がすべて裏目裏目に出て、悲劇となってしまった話でした。

予想したのは、リビーが真犯人ってオチ。本人は覚えてないだけなのかと思っていましたが、思いっきり外れました・・・。

 

ディアンドラの家を訪れた場面はちょっとハラドキしました。もう少し、意外な真相だったら★も増えたのですが、期待だけ大きくなってしまいました。

セクシーなお姉さんが散々な目にあう話 【映画感想】クローズド・バル

予告が面白そうだったので鑑賞。

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【あらすじ】

エレナはネットで知り合った男性と待ち合わせ。

その前にたまたま入ったバルの外で、客が店から出たとたん射殺される。

助けに駆け寄った他の客も同じように射殺され、店内はパニックに。

どこから狙われているかわからないため、外にも出られない8人の客と店員。

携帯で助けを呼ぼうとするが、なぜか圏外。

そうこうしている間に、いつの間にか二人の死体がなくなっている。

テロ?宇宙人?一体何が起こっているのか?

どうしたらいいの~?!とヤンヤンする話。

 

【感想】★★★☆☆

先が読めずにハラハラしました。でも、冒頭が一番テンション高かったかな。真相がわかり始めると、オープニングの意味もわかってくる。他のレヴュアーさんも書いていたけど、潔癖症の人は見るのが辛いと思う。私もちょっと辛かった。

途中から、ちょっとコメディっぽいところがチラホラ。本人たちは真剣なんだけど、

見てる方には滑稽に思えてくる。そこに入るのは無理でしょ・・・ってところに入ろうとする場面とかサラリーマンのカバンが開く場面とか。

そんなところは、同じスペイン映画のダークレインを思い出しました。

ラストはもう少し短くてよかったんじゃないかな。無理やり引き延ばしている

感じがしてしまいました。

 

ただ、主人公のエレナは、とても美人でスタイルがいいです。

途中からその完璧スタイルを堪能できますが、散々すぎてかわいそう。

もうちょっと賢いキャラだったらよかったかな。

☆3にしましたが、☆3.5といったところです。

そりゃー、ドラマ化しますよね【映画感想】12モンキーズ

ドラマ版を観ているので、20年ぶりくらいに鑑賞。

全然覚えてなくて、初見みたいに楽しめました。

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【あらすじ】

死のウィルスが蔓延した近未来(2035年

そこから、ウィルスの情報をつかむために未来にやってきたコール

ブルース・ウィリス)が、精神科医のライリーと出会い、彼女を誘拐しながら

ヤンヤンする。

細菌学者の息子のジェフリー(ブラッド・ピッド)が最近をばらまいた犯人だ

とわかったコールは、自分の記憶に惑わされ、未来が妄想か現実なのかもわからなく

なりながら、ライリーの助けを借りつつ、奮闘する話。

 

【感想】★★★★★

まず、最初に「ラ・ジュテ」と言うフランスの短編映画にインスパイアされて

できた作品だと知って、元ネタがあったんだ!と思いました。

wikiでは、要出典とありますが、オープニングのあたりをよく見てると、字幕が出るあたりに書いてあります)

これも観たくなっちゃったなー。

 

とにかく、ブルースとブラピの2大スターの共演なのに、うまーくまとまってよくできてる。

そりゃ、ドラマ化されますわよね。

ブラピのイッちゃってる演技が上手い。さすが。

どうしたら眼球を別々の位置におけるの・・・?

テロ集団のトップって役柄はファイト・クラブのブラピとかぶりました。

こういう役柄がとても似合います。

ブルースが主役なので、もうちょっとアクションシーンが欲しかったのですが、

SFだし、こんなものでしょう。

パーフェクトストレンジャーよりは違和感がなかったです。

ライリーは、そつなく美人ですね。ペリカン文書のころのジュリア・ロバーツっぽい。

 

ブルースが映画を観るシーンで「この映画は昔見た。今観ると、(歳をとったせいで)違うように観える」みたいなセリフを言うのですが、自分自身の状況と重なって

その通りだなって思いました。

覚えている映画でも再鑑賞すると、違うものが見えてきたりします。

 

気になったのは、ボブとコール(ブルース)を呼ぶ浮浪者のようなじいさん。

彼は、未来のコールだと思っていたのですが、どうもそうではないようでした。

彼は、きっと他のタイムトラベラーだったのでしょう。

 

コールは、幼いころにあのような衝撃的なシーンを観たから犯罪者になってしまった

のでしょうか?

なぜ、コールが囚人だったのかがわからず、どんな罪を犯したのかも気になりましたが、わかりやすい伏線もあり、ミスリードや謎解きもあり、たまに笑えて、

大満足でした。