シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

ああ、無情 【映画感想】インファナル・アフェア

DVDにて。

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原題:無間道

 

【あらすじ】

青年ラウは香港マフィアにはいってすぐにボスによって警護学校にスパイとして送り込まれる。青年ヤンは優秀であったが、突如「警察学校の規律を破ったから」として、退学処分となる。実は退学はカムフラージュで、警視に能力を認められ、マフィアにスパイとして潜入させられたのだが、立ち去るヤンをうらやましそうなまなざしで見つめるラウ・・・。

10年後、麻薬取引が行われることになったが、それぞれの活躍により警察は事前にその情報を、マフィアも警察の包囲網の情報をつかみ、逮捕も取引も失敗に終わる。

そして、スパイの存在が双方にとって明らかとなってしまい、ラウとヤンの対決が始まる。

 

【感想】★★★★★★

今これシリーズ第二弾ですね。

だいぶ前から存在は知っていた作品ですが、マフィア映画は食わず嫌いをしていたので、スルーしちゃってました。

(流れとしては、シャッターアイランドマーティン・スコセッシ→ディパーテッド

インファナル・アフェア ってところです。

ディパーテッドインファナル・アフェアのリメイクで、さらにダブルフェイスもそうだと知ったらもう見らずにはいられませんでした。)

 

でも、見たらやっぱりヒットしただけのことはある!と思いましたね。

ラウもヤンもかっこいいし、ストーリーも無駄がなくて最高。

急に出てくるケリー・チャンにも見とれました。

 

原題は仏教用語の無間道という言葉ですが、無間地獄を意味し、「絶え間無く責め苦にあう地獄」とのことらしいです。調べると「完全な悟りを開くに至る四つの段階の第二」とも出てきますが、こちらではない様子。

邦題を直訳すると「地獄の出来事」ですね。

「内部捜査」を意味する「インターナル・アフェア」とかけているようです。

インファイナル・アフェアのほうが、無間地獄よりわかりやすいし、内容としてもあっている気がします。

もちろん、二人の日々、特にヤンの潜入生活は地獄のようなものだったと思いますが。

 

ラウもヤンも似たような立場なのに、対照的な部分もあって興味深かったです。

ただ、ラウはどうやって恋人と出会ったのでしょう。警察と作家なんて接点なさそうなのに。

 

ラウ派かヤン派に分かれると思うのですが、私はどっちとも決めきれません。

ラウは、見ているうちに「渋い・・・」ってなりましたし、ヤンは最初から惹かれる感じがしました。

どちらも、どストライク!ってことではないのかもしれませんが、連続三振は間違いなしです。

私が勧めてこの作品を見た友人は、「ヤンが西島秀俊に見えて仕方なかった」と言っていましたが。

 

ストーリーはよく考えられていて、若いころの二人を別の役者さんが演じていることもあり、ちょっと混乱しましたが、次第にわかってきました。

それから重要な伏線のシーンがわかりやすかったです。

監督の「伏線ですよー。覚えておいてねっ」って声が聞こえました。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。

 

ヤンには幸せになってほしなぁと思いながら見ていたので、エレベーターのシーンは衝撃でしたね。

あんなにあっさりやられてしまうなんて。

これはまさに地獄の出来事・・・って思いました。

最後には殉職となったので、多少救われましたが、それにしても報われなさすぎる・・・。

ウォン警視の殉職も地獄の出来事でした。

しかも10分も痛めつけられてたなんて。

ここで、ウォン警視がヤンに誕生日プレゼントとして時計を渡すシーンが生きてきます。

 

私はどうしても、ヤンの方に感情移入してしまいます。

どちらも命がけの潜入捜査だけど、危険度はどうしてもヤンの方が高い。

身分がばれてもラウは捕まるだけで、ヤンは必ず殺されるでしょう。

それに、もともと悪い人がいい人を演じるほうが、善人が悪人を演じるより精神的に楽な気がします。

途中まで恋人と幸せそうに暮らしてますしね。

最後も結局バレることなく善人側にシフトできてしまうわけで。

ラウ視点ではわりとうまくいったハッピーエンドですよね。

 

この後、ダブルフェイス、ディパーテッド無間序曲終極無間を見ていこうかと思っています。