かつてない臨場感【映画感想】ウトヤ島、7月22日
DVDにて。
【あらすじ】
2011年7月22日、ノルウェーの首都オスロで爆破テロが起こる。
政府庁舎をねらったテロは8人の命を奪った。
ウトヤ島でキャンプをしていたノルウェー労働党青年部の若者たちは、ネットでオスロのテロを知り、カヤは母親からの安否確認の連絡を受ける。
不安になる者もいれば、何もなかったかのようにキャンプを楽しむ者もいた。
カヤの妹のエミリエも仲間との時間を楽しんでいたが、それをいさめたカヤと喧嘩をしてしまう。
そして、オスロのテロから二時間が経った頃、同じ犯人がウトヤ島に渡り、銃の乱射を始める。
【感想】★★★★☆
ワンカットで72分の映像でしたが、なにより臨場感がすごかったです。
最近、POVはめずらしくないですが、この映画よりその場にいる感じがする作品はなかったように思います。
実話だと知りながら見ているからでしょうか。
若者たちがキャンプをしているところにオスロのテロ事件の情報が入り、不安に思っているけれど、自分たちとは無関係・・・。
そう思ってるところに突如として聞こえてくる銃声。
なぜ自分たちが狙われるのか、なにが起きているのかわからず逃げ惑う若者たちはとてもリアル。
POVの揺れる画面を見ても全然平気な人でも、不安感から気持ち悪くなったりしたようです。
たしかに、混乱や焦燥、恐怖がよく伝わってきますし、目の前にいるのに何もできない感じがあって、落ち着きません。
これは、滅入ってしまう人はかなり滅入ってしまうので、精神的に元気な時に見るのがおすすめです。
間違っても、「風邪で仕事休んでて寝飽きたから見よう」ってテンションで見たらだめです。
この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。
文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。
犯人の姿はちらっとしか見えず、若者たちが撃たれる場面もないのですが、銃声がほとんど途切れることなくカヤを追うので、安心できる場面がないですよね。
作中では、実際と同じ540発の銃声が鳴り響くそうです。
実際の犯人は、一人でしたが、複数いると誤った情報がもたらされたりして、この辺もリアルでした。
そして、カヤがエミリエを探してテントの中に入る場面で、犯人らしき人の足音が聞こえるのがめちゃくちゃ怖かった・・・。
そんなに時間が経ってないのに、カヤが外に出ていくのでひやひやしました。
あの状況で犯人に撃たれないなんて、カヤ、強運過ぎ。
肩を撃たれた子と一緒にいるときも犯人らしき人影が見えますが、運よくみつからずにすみますし。
最後にはカヤも撃たれてしまいましたが、即死してしまったのでしょうか。
登場人物たちは実際の被害者をモデルにしたわけではなく、架空の人物とのことでしたが、ちょっと気になってしまいました。
結局、散々さがしたエミリエはカヤのすぐそばにいたようですね。
もう少しで会えてたかと思うとやるせないです。
でも、エミリエだけでも無事でよかった・・・。
派手な色のセーターだったので、心配していましたが。
そして、ボートで助けに来てくれた人はいったい誰なんでしょう?
警察ってわけでもなさそうだし。
一般の近くに住んでいる人でしょうか。
そこだけ、謎が残りました。
*星をつけるのもなんか違うような気がしましたが、とりあえずつけてみました。
すべての人にお勧めはできないけど、こんな事件があったことを知っておくのも必要だと思います。