シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

ソウ・レガシー×脱出ゲーム 【映画感想 エスケープ・ルーム】

DVDにて。

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【あらすじ】

6人の男女のもとに知人からの贈り物として、小さな箱が届く。その箱はパズルとなっていて、それを解くと謎の企業から脱出ゲームへの招待状があらわれる。1位の者には賞金1万ドル。それにつられてやってきた6人は、数々のトラップがある部屋から無事生き残れるか?

 

【感想】★★★☆☆

予告編の動画を載せようかと思いましたが、ネタバレが含まれるので見ない方がいいです。

 

ジャケットの中央に立つ黒人の女の子ゾーイ以外はお金目当てですかね。ベンや他の人たちも現状を変えたいと言う動機があったのかもしれませんが。とにかく、お金に目がくらんだらいいことはないよってことかな。

 

後味は悪いし、途中の展開もなかなかイライラするし登場人物の自己中な行動も目につくけれど、意外な展開も楽しめたので星3つにしました。登場人物たちの過去もよく詰め込んだなと思います。カメラワークもなかなか楽しかったですね。

外見が似た人たちがいないので、展開が早くても誰が誰だかわからなくなったりせず、よく考えられたキャスティングだと思います。

 

とにかくハイテクさが際立っていて、よくも悪くも現代のエンターテインメント映画かなと。そのあたりとゲームマスターの存在が「ジグソウソウ・レガシー」を思い出させました。それから、「CUBE」も。極限状態に置かれた見ず知らずの人間たちはどのように動くかってところが似ているなと。

 

何を書いてもネタバレになりそうなので、この辺で。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。

 

ベンが最後の方まで生き残るってわかってしまうので、最初のシーンはなかった方がよかったな。

序盤でアマンダが読んでいた「5人が焼死」の新聞記事も伏線でしょうね。

最初の部屋の仕掛けで、グラスに水を入れるのはいいけど、別に水ではなくて壺とか重いものをグラスの上に乗せればいいわけで。テーブルの上でツイスターしてるその向こうで、あざ笑うかのように壺のようなものが写っていたような。冷静な立場だから思いつくんでしょうけど。

 

山小屋の後の二つ目の極寒の部屋でも、鍵を体温で溶かしていましたが、水があるんだからそこにつけたほうが早いのでは・・・?と思いましたね。ある程度小さくなってから、体温で溶かしたらいいのに。誰も思いつかないのは寒さのせいにしても、ちょっと無理があるかと。ベンの足が水につかったときも、もっと心配してあげようよ。周りの白いものが本物の雪ならそれで水分を吸収できるのに。あれはデジタルで実際には触れないのかな?水分をとってあげるだけでだいぶ違う気がするんだけどな。体温で氷を溶かす間にいろいろ攻略法を話し合ったりしなかったのでしょうか。ベンは山小屋でのことがあったから、もう何かに気付いてもいいはず。ジェイソンも赤いコートでピンときてるはずだし。でも、自分のトラウマを自ら話すのは無理ですね。

 

外から持ってきたライターを使うのはルール違反ってことでしょうか。そのためにダニーが水の中に落ちて犠牲になったんだよね、きっと。その後、アマンダが水に飛び込んで助けようとするけれど、ジェイソンが引き留めたので、彼はなかなか冷静だなと思いました。アマンダが死んだ後、ジェイソンの「生き残って犠牲に報いろ」って言い放つところも正論でよかったのに、その後とても嫌な奴になりましたね。それとは対照的に、アマンダの犠牲は素晴らしかったです。死の瀬戸際で、会ったばかりの他人を助けようとするってなかなかできないように思えます。

 

4つ目の部屋でのゾーイの復活は意外性があってよかった。銃を持って階段を駆け上がるシーンは「GO!GO!GO!」って感じでちょっとテンションが上がりましたね。病室内の見えているところだけの監視カメラを壊しても、まだまだあるだろうなって思いましたが。

 

5つ目の部屋で薬物を盛るのはうまいなと。万が一逃がしてしまった後でも、薬物の幻覚にできますからね。でも、現場検証の様子やアマンダやマイケルたちの新聞記事を見ると警察の上の方にも黒幕側がいるように思えます。

 

逃げ出した後、「唯一の生存者はもうイヤ」と言うゾーイの言葉が刺さります。最終的に、ゾーイとベンは戦い始める決心をしたようですが、どうも負け戦のようで心配です。ベンの言うようにすべてを忘れて平凡な暮らしを送ってほしいと思ってしまいます。ゲームマスター側が「ゾーイの飛行機恐怖症が治ってよかった」と発言しますが、そこもなんだかソウっぽいと感じました。とにかく、二人が優雅にランチを楽しむシーンで終わってほしかったです。

 

理不尽なことに対してはとことん戦え!といった製作者側のメッセージでしょうか。