シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

サクッと見れないよ!【映画感想】ブレードランナー

ブレードランナー2049が公開されて、その予習のため。

映画には間に合わなかったんですが、DVDで観ようと思っています。

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【あらすじ】

デッカードは、引退したブレードランナーレプリカントを解任(殺害)する者)。

荒廃した未来都市の屋台で、4つ頼んだのに2つしかもらえなかったものとうどんを

慣れない箸使いで食べていると、警察官に逮捕されてしまう。

近未来の必需品、空飛ぶ車で連れて行かれ、スペースシャトルを奪って地球に

やってきたレプリカント4体を解任することを命令されます。

捜査をはじめたデッカードは、レプリカントを作り出したタイレル社の

タイレル博士を訪ね、レイチェルと出会う。レイチェルにレプリカントテストを

しろというタイレル博士。

その結果、レイチェルはレプリカントだとわかるのだが・・・。

 

【感想】★★★★☆

友達から「サクッと観れるよ」と聞いて、サクッと観ようと思ったら、

そんな映画ではありませんでした。

観た後に調べてわかったのですが、この作品はカルトだって

言われてるんですね。

実際に観てみて、カルトだって言われている意味がよくわかりました。

1982年の人たちに、よく受け入れられたなと思います。

リドリー・スコットっぽいと言えば、すごく「ぽい」です。

単なる娯楽映画ではないんですね。もっとSFアクションで、キャッチ―な

感じにもできる作品ですが、そうしなかった。

意味深なシーンがたくさんありますし、脱走レプリカントのリーダーの

ロイに追い詰められるシーンはスリラーで、ほぼホラーです。

レイチェルとの関係はラブストーリーですね。

いろんな見方ができて、そこはとてもおもしろいので星4つにしました。

 

近未来のロスが舞台のようですが、なぜかそこは日本と中国の文化が入り

混じったような街です。

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 デッカードもお箸でヌードル食べてます。

一番近いイメージは、芸者ガールズですね。

後の攻殻機動隊に影響を与えたそうですが、納得です。

見ているとわかりますが、街並み雰囲気など、似てる部分が多いように思いました。

 

新聞やたばこが出てくるのが、昔作られた映画であることをわかりやすくしています。

ネットや携帯の描写も一切ないので、やはり、未来を予測するのは難しいんですね。

来年が舞台の2019年ですが、空飛ぶ車はできそうにありません。

 

暗喩が多いようで、キリスト教と深く関連づけて解説しているサイトもあり、

興味深く読みました。

デッカードレプリカント説があるようですが、どちらでもいい気がします。

だって、この映画の中で、レプリカントと人間の違いってあまりないような

気がするんですよね。

レプリカントに感情が芽生えてしまったらその時点で境界は曖昧になってしまい、

区別の意味がないと思うんですよ。

実際は、デッカードユニコーンの白昼夢を見て、それを知っているようなガフ

の行動があるので監督は意図していたと思いますが、この結論は人それぞれで

いいと思います。

レプリカントにしては、デッカード弱すぎるしね。

 

ロイが最後にデッカードに言うセリフがなかなかよかったです。

でも「雨の中の涙のように」のセリフの訳がちょっと違って気になりました。

 「涙のように 雨のように」になっていたんですよね。

他にもセリフの訳の字幕がちょいちょい省略されていて、親切なような、

不親切なような。

 

この作品にはいくつかのバージョンがあり、違うラストもあるようなので

見比べてみるのも面白そうです。

(私が観たのは、ファイナルカット版。多分。)

とりあえず、私は続編の2049を観たいと思います。