シネマの前で待ち合わせ

映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

そうきたか!【映画感想】THE GUILTY

パーフェクト・トラップの前にちょっと寄り道。試写会にて。

f:id:fu2uki:20190214051029j:plain

原題:Den skyldige

 

【あらすじ】

警察官だったアスガーは、ある事情で緊急連絡室のオペレーターをしている。

麻薬中毒者や強盗被害者からの緊急通報をさばいていたが、そんな中、「誘拐された」と言う女性からの連絡を受ける。

彼女は自分の子供に電話をかけるふりをして、走る車の中から通報してきていた。

アスガーに与えられた情報は、携帯基地局からのおおまかな車の位置と彼女の名前や住所、そして受話器から聴こえてくる誘拐犯の声や車の音・・・。

アスガーはすぐに近くにいるパトカーにその車を探すように連絡をするが、車の色やナンバーさえわからない。

限られた情報から彼女を助け出すことはできるのか・・・。

 

【感想】★★★★☆

通報を受けたおじさまが、緊急連絡室で誘拐された女性を助けるためにヤンヤンする様子だけを映し出す、新しい映画でした。

デンマークの映画も初めてかも。

せっかくの北欧なのに、美しい景色は一切なく、スクリーンには険しい表情のおじさんが全面にあること8割。

 

「ザ・コール」の二番煎じかと思ったのですが、緑茶と玄米茶のような感じで

だいぶ違う味がしましたね。

チラシには「その手があったか」とありましたが、「そうきたか!」というのが私の感想。

ラストを予想しつつ見ていましたが、真実がわかる場面はサラッと来るので、え?って感じで血の気が引く感覚がしました。これはいろいろ考えないと読めない。

主人公の立場や状況がカギとなることは予告などではわからなかったのでそれも気になりながら見ていました。

ボスや以前の相棒との話から、彼の置かれている立場が見えるような見えないような。

だいぶ引っ張るので何かあるのかとは思っていました。

 

誘拐されている女性の車内などのシーンは一切なく、とても潔く作られていました。

それでもあれだけハラハラできるって、人間の想像力ってすごいなって思いました。

見えない分、余計に焦燥にかられるのかも。

 

主人公を演じたヤコブ氏の演技もすごい。

イケオジ(イケメンなおじさん)の部類に入るので、無表情でも怒ってても嘆いてても絵になる。(ただ個人的にはストライクでもなかったかな。)

通報を受けるときの淡々とした感じもよかったですね。

彼の何がいいって、普通のおじさんっぽいところです。

頭の回転が死ぬほど速いわけでも、ガチムチのマッチョでもなく、コペンハーゲンの人混みを10分歩いてたらすれ違えるくらいのおじさん。

そんな彼が何かを抱えつつ女性を助けようとする姿には、感情移入しやすいのか、彼の焦燥が自分のものかのように感じました。

早く受話器とって!みたいな。

 

途中で、周りからクスクスと笑い声が聞こえるようなシーンがあり、これも予想外。

でも、いいアクセントでした。ほんとにちょっと面白かったし。

冒頭のジャンキーとのやりとりも、この仕事の大変さをよく表していたと思います。

実際、いろんな人から通報があるのでしょうね。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

もっと音や被害者女性との会話だけで犯人を追い詰めていくのかと思ってたのですが、わりと普通に割り出していましたね。

ガルシアがいたらすぐに犯人がわかるのに・・・と思ってしまった私は、明らかにクリミナルマインドの見過ぎです。

だまされることはわかってたのですが、核心に触れるのがいきなりすぎて一瞬思考停止しました。

彼女に何があって精神を病んでしまったのか、そこが謎のままで気になります。

育児ノイローゼでしょうか。

チルダがいい子すぎて・・・もう・・・(´;ω;`)ウゥゥ

弟の死は理解できなかったのでしょうか。

それより、お父さん、アスガーにちゃんと説明しろよぉー。

その機会と時間はあったはずなのに・・・。

それをしたらこの映画は成り立たないのですが、ちょっと突っ込まずにはいられないとこです。

 

それにしても、彼女が自殺を思いとどまってくれてよかったと思います。

これで彼女まで死んでしまったら、アスガーは救われません。

最後の最後までハラハラしました。

 

そして、アスガーは部屋を出てだれに電話をしたのか・・・。

これも意味深なラストでした。

なんとなく、奥さんかなって思ったのですが、他の人はどんなふうに解釈してるのか気になるところです。

 

原題の「Den skyldige」は、訳すとそのままTHE GUILTYになるようです。

このタイトルも意味深ですね。

最後まで見ればよく考えられたタイトルだとわかります。

 

この作品は、ジェイク・ギレンホールが主演でリメイクされるそうですが、もっと普通のおじさんのほうがこの作品にはあってるように思います。
彼はいろいろな表情を見せてくれるいい俳優さんではあるのですが、ちょっと個性が強すぎる気がします。