シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

静かな感動【映画感想】メッセージ

DVDでやっと鑑賞。

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原題:ARRIVAL

 

【あらすじ】

突然、世界各地12か所に謎の飛行物体が現れ、有能な言語学者のルイーズはその中にいる2体の地球外生命体とコミュニケーションをとるために、アメリカ軍大佐のウェバーに召集される。同じように連れて来られた物理学者のイアンとともに彼らの言語を解読していき、最終的に彼らが地球に飛来した目的を尋ねようとしていた。

地球外生命体をヘプタポッド(7本の足)と名付け、コミュニケーションを重ねていくが、ルイーズは同時に病で死ぬ娘のフラッシュバックを見るようになる。

 

【感想】★★★★☆

ばかうけとのコラボポスターとは対照的におもっきしシリアスな内容でした。

でも、あのポスターみたいな企画は大好きです。

後半で、静かに感動しました。

ほとんどが彼らとのコミュニケーションと言語解読で進んで行き、エイリアンが出てくるのにほとんど戦わず、ドンパチもしない、とても新しいSFだと思います。

感動も今までないようなものでした。

それをわかっていて鑑賞しないと期待外れかもしれません。

 

始まり方やラストシーンなどから考えるとどちらかというと、ルイーズの話が核なんだと感じました。

インテリな学者として描かれていますが、最後の選択はとてもエモーショナルです。

 

イアンは、2体のヘプタポッドをアボットコステロと名付けますが、そのフォルムもなかなかいいですよね。彼らの墨を吐いて書かれる言語も、彼らには時の流れがないという設定もいいです。

本当に宇宙人がいたら、私たちの常識とはかけ離れているだろうし、想像もつかない生命体だと思うんですよね。

彼らが来た目的が、最後の方までわからないのでミステリとしても楽しめました。

 

展開も読めないので、面白かったですね。

 

そして、飛行物体は、横倒しになるとあまりばかうけっぽくないことがわかりました。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

ひとつ曖昧でわかりにくかったのですが、アボットは、軍の一部の将校が仕掛けた爆弾によって死の淵に行ってしまったのでしょうか。ルイーズが、その後謝っていたのでそうだと思うのですが。

自分を犠牲にしてまでルイーズとイアンを助けたアボット、なんていい奴。

それなのに人間たちはなんて好戦的なのでしょう。

実際、こんな事態になったらどこの国が一番に攻撃してしまうのか、ちょっと気になりました。

 

ルイーズの娘のフラッシュバックは、本当は未来の記憶であるフラッシュフォワードだとわかるんですが、私はかなり後半でそれを理解しました。

Wikipediaのあらすじなんかを読むと、ルイーズが娘を持ったことがないことが書かれていて、その記憶が未来のものであると初めからわかるような書き方なんですが、わかりやすい描写ってありましたっけ?

明らかに過去の記憶のようにミスリードさせてひっぱってると思ったのですが。

それに、娘とのシーンのルイーズの方が若く見えるのはちょっとずるいなって思いました。

でも、ハンナがイアンとの子供だということは、ハンナが言葉を聞きにルイーズのもとに来たときに「数学のことならパパに聞いて」というルイーズのセリフでなんとなくわかりました。

 

ラストでルイーズはイアンとの未来を選びますが、きっと幸せな感情もフラッシュバックの中にあったんでしょうね。

 

とにかく新しくて静かな作品でした。