極上ワンシチュエーション・スリラー 【映画感想】 不吉な招待状/The Invitation
ネットフリックスで観た作品。
最近、めでたくDVD化されたようなので、記念にブログを書こうと思いました。
DVD化もされるよ、だってよくできてるもん。
ネットフリックスでは、「不吉な招待状」となっていましたが、DVDでは
「The Invitation」と原題のままです。
どちらもシンプルなタイトルでいいと個人的には思いますが、なるべく情報を
入れないほうが楽しめる映画なので、その点では「The Invitation」の方がいいのかも
しれません。
見始めたらその不穏な空気はすぐに感じられるのですが。
【あらすじ】★★★★☆
別れた妻エデンと彼女の現在の恋人デヴィッドに、ホームパーティーに招かれる主人公のウィル。
突然の招待状にとまどいながらも、以前暮らしていた豪邸に現在の恋人と
一緒に訪れる。
エデンとウィルの間にはつらい過去があったが、人が変わったように明るいエデンに
迎えられる。そのうち、デヴィッドとエデンの友人たちも集まり始め、ぎこちない
雰囲気の中でも、パーティーを楽しもうとするウィル。
しかしながら、彼はその不穏な空気に少しずつ何かを感じ始める。
【感想】
ちょっと辛めの判定で★4つにしました。実際は、4.5です。
2回目のほうが楽しめる映画だと思います。
テンポよく進む話ではないので、ちょっと退屈してしまうかもしれませんが、
細かいところもよく観ておくといいと思います。
これは、もう何も知らないまま見て~!と言った映画なので、感想もあまり
書けません・・・。
このブログを書くにあたりちょっとググってみると、「アイ・アム・ア・ヒーロー」が
観客賞&特殊効果賞をダブル受賞したシッチェス・カタロニア国際映画祭でグランプリ
を獲った作品だという情報がありました。そりゃ面白いよね。
監督が女性監督だということも初めて知りました。
「お金をかけなくても、面白い映画は作れる」と言う見本のような映画です。
(「タイムクライムス」の感想でも書きましたが、「アリスクリードの失踪」も
そんな作品です。)
ー0.5の理由は、ワンシチュエーション・スリラーの代名詞「SAW」は
超えないかな・・・と思うところ。
まったく違う切り口の作品なので、比べるものではないのかもしれませんが、
あのラストには、本当に目と口があんぐり開いて、戻らないんじゃないかと思った
んですよね~。
この映画は、だんだんと真相に近づいていく感じがなんともたまりません。
なので、どんでん返しとはちょっと違うと思います。
オチがわかる人にはわかっちゃうもの。
客観的に見ている側としては、じれったいくらいの話の流れですが、ちょっとした刺激
で爆発しそうな雰囲気が漂う感じが素晴らしいですね。
俳優さんたちが、あまり有名でないところも変な先入観を持たれないので
いいと思います。
アメリカの映画を見ていると、元夫と今の夫とか恋人が仲良くホームパーティーを
したりするシーンがわりと良く出てきますが、実際の心中はやっぱり複雑なの
かなって、話とは全然別なことを考えました。
時間が経っていれば仲良くなれそうですが、2年くらいの時間だとちょっと難しそう。
あちらの方々は、そういったことは、割り切れる性格と文化なのかしら。
ラストがとても印象的な映画で、(【衝撃のラスト】は蛇足だとは思いますが・・・)
ジャケットも素敵だと思います。
ただ、後味はワインのように良くないので気を付けて。
この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。
読むときは、反転させて読んでください。
ラストの赤いランプの数とヘリコプターの音。
あれは、忘れられないものになっています。
鑑賞したのはけっこう前なんですが、雰囲気とかラストシーンはしっかり印象に
残っています。
冒頭のコヨーテをはねてしまうシーンも、振り返ってみると恐ろしく、
よくできた伏線だと思います。
チョイは、もう殺されてると思っていました。すっかりだまされました。
予想を裏切るいい脚本だと思います。
私の中のイメージは、綾辻行人氏の「暗黒館」に近いです。
あそこまでおどろおどろしくないですが。
そのため毒入りのワインは、もう少し赤黒いほうがよかったなって思います。
主人公自身の不安定さとエデンとデイヴィッドのアンバランスな関係が
ひしひしと伝わってきました。
しかし、向こうの豪邸は本当に豪邸と言った感じでちょっとうらやましい。
でも、掃除のことを考えると、ウサギ小屋でいいやってなります。
もちろん、彼女たちはハウスクリーニングに頼んでるんでしょうね。