シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

何も学べなかった【映画感想】ファニーゲーム

f:id:fu2uki:20180927040046j:plain

【あらすじ】

二人の若者が、ある家族の別荘にやってきてあれこれ嫌がらせを

する最悪なお話。

 

【感想】

有名な映画なので、とりあえず見てみようと思ったが、何一つ学べなかった。

原題が、GAMEじゃなくてGAMESと複数形になっているのに気づいて、

なるほどなって思いました。

若者二人にとっては、数々のゲームで遊んでたということなのでしょう。

 

感想を書くのに、思い出すのも嫌。

まったくオススメできません。

星0こです。

そうきたか【映画感想】(r)adius ラディウス

DVDで鑑賞。

f:id:fu2uki:20180809005342j:plain

 原題 Radius

 

【あらすじ】

交通事故から目を覚ました一人の男、リアム。

通りがかった車に助けを求めるが、その車は

ふらふらとして道を外れる。

リアムが車にかけよると、運転していた女性は

亡くなっていた。

急いで911コールするリアム。

対応してくれた女性に「あなたの名前は?」と聞かれて、

記憶をなくしていることに気づくリアム。

混乱して、レストランに駆け込むけれど、

そこも死体だらけ。

「どーなってるんだ?!ウィルスか?テロか?」

とさらに混乱。

そのうちに、自分に近づいた鳥や人が死んで

いくことに気づき、人に近づかないようにするが、

ある女性が訪ねてくる。

「ノォーーー!!俺に近づくなー!」と慌てるが、

その女性だけは、リアムに近づいても死なないらしい。

彼女も記憶をなくしているらしく、二人で記憶を

取り戻そうとヤンヤンするが・・・。

 

【感想】★★★★☆

まず、設定が新しくていいです。

殺すつもりがないのに周りの人間が

死んでしまうやりきれなさや辛さ。

 

ただ、自分の置かれている状況を把握するのが

ちょっと早すぎるような。

ジェーンが側にいるとその設定が無効になるというのに

気づくのも早い。

頭の回転、速すぎでしょ!とツッコみたくなりましたが、

無駄に長いよりはいいかな。

 

二人は、脳科学かなんかの研究所から逃げ出して

きたんだろうと思って観ていました。

でも、どんどん予想外の展開に。

 

原題はそのまま「Radius

半径という意味。

円の面積=πr² のrですね。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

 

「どんでん返し」とタイトルに書きたかったけど

それもネタバレになるのでやめました。

 

リアムがシリアル・キラーだとわかったときは

ええええー( ゚Д゚) ってなりましたよ。

 

その能力がどうやって身についてしまったのかと

記憶喪失の方に気をとられ、リアムの正体については

ノーマークでいたので、マジか・・・ってなりました。

完全に監督の思うツボです。

 

しかも、二人はいい感じになりつつあったので、

リアムが姉を殺したとわかって銃を突きつける

ジェーンの「もうっ!どうしたらいいの?嘘よ、嘘。

だれか、嘘だと言ってー!」って感じの混乱が

切なかったですね。

 

記憶を失くしたリアムのいい人の表情と、シリアル・キラー

時の表情のギャップがよかったです。

さすが俳優さんだなと感心。

彼はパシフィック・リムにも出演されている俳優さんの

ようですね。

 

SFスリラーだと思って観ていた人は、ラストは丸投げな

感じなのでがっかりすると思いますが、私はけっこう楽しめました。

 

結局、この映画は性善説性悪説の話で、リアムはなんらかの

理由があってシリアル・キラーになってしまったんだと

解釈しました。

元々は、いい人だったリアムが、虐待とか信じていた人の裏切りだとか、

原因は描かれていませんが、そういった環境というか、後天的な原因

によって犯罪者になっていったんだなって。

 

記憶をなくしたリアムは、人を殺してしまったことにとてもショックを

受け、そうなることを避けようと一生懸命です。

自分がシリアル・キラーだと知ってさらに傷つき、自殺します。

その事実に耐えられなかったんでしょうね。

 

そう考察していくと、彼は、元々はいい人だったんだと思います。

サイコパスの中には先天性の人もいるらしいので、彼はそれとは

違うんだろうな・・・と。

彼がそうなってしまった過程を描くもう一作が、私の脳内で

できあがりそうです。

これぞSF ! 【映画感想】アナイアレイションー全滅領域ー

NETFLIXで鑑賞。

f:id:fu2uki:20180801065527j:plain

原題 ANNIHILATION (全滅・消滅)

 

【あらすじ】

生物学者で元兵士のレナ。

長い間音信不通となっていた夫が、「シマー」の調査から突然帰宅する。

どう話しかけてもぼーっとして、記憶があいまいな夫。

そのうちに夫の容体が急変し、病院に向かうが、軍隊に拉致られる。

二人が連れて来られた施設は、突如現れた謎の空間「シマー」を調べている

場所だった。

近々、女性4人の調査隊が再びそこに向かうことを知ったレナは、同行を志願し

「シマー」に足を踏み入れるが・・・。

 

【感想】★★★★★

最初から謎だらけですごくいい。

場面が切り替わる回数が多かったように思うので、

映画を見慣れない人は少し混乱するかもしれませんが。

 

ナタリー・ポートマン演じるレナは美しいし、シマー内の色彩は

綺麗なものばかり。

時間の流れも生態系もすべて別次元で今までの常識がまったく

通用しません。

 

「シマー」とは、「すべてを反射するプリズム」だそうです。

プリズムは、光を反射する物。

つまり、全てのもの(DNAなど)を反射するものとして描かれています。

 

展開の早さもよくて、先も読めず、ラストもゾクッとする感じで

終わって、サイコー。

怖さと美しさの共生がすごいです。

 

あらすじだけ読んだら、光の速さでNETFLIXに加入して見てください。

シマーだけに。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

シマーに入ってすぐに3日分の記憶がなくなってるとか、

なにその斬新な展開?!って感じでした。

ついていけるギリギリのラインというか、見ている人をおいてけぼりに

しない優しさがありました。

前任のチームが残した手掛かりのシーンのワクワクさが半端ない!

ゲームにありがちな展開ですが、意外と映画ではないような気がします。

 

ヒューマンドラマなシーンもあり、

「人生が上手く行ってる人はここには来ないわ」といった感じのセリフ

(うろ覚え)が印象に残りました。

たしかに、そんな何が起こるかわからないような危険地帯に行くなんて

一種の自殺行為ですもんね。

レナがそこに行く理由は、夫への罪悪感と愛でしょう。

不倫の描写がその場面で生きてきます。

 

ラスボスは、とても不思議な存在でした。

何をしたいのかイマイチわからないところもめちゃくちゃ

気持ち悪い。(褒めてます)

ラストに夫がレナに「君はレナか?」と問いかけて、答えられない

レナ。

あんな体験したら、エイリアンにのっとられてなくても、

精神やアイデンティティが崩壊するよなぁ。

 

印象に残ってるのは、レナが灯台から脱出した後のシーン。

 美しすぎて、REGZA(テレビ)のCMにしたいくらい。

 

クリーチャーもユニークで、人の声を模写するクマなんて

素敵すぎ。

あれで人をおびきよせるんでしょうね。

うまくできてます。

あの生物たちは突然変異なのか、エイリアンが宇宙から連れて来たのか・・・?

全ての謎が解明されないところも、いろんな解釈ができてよかった。

 

こちらのサイトの解説がわかりやすかったです。

eiganotomo.net

キツネとキツネの騙しあい【映画感想】インビジブル・ゲスト 悪魔の証明

同僚に面白かったと聞いてDVDで鑑賞

f:id:fu2uki:20180731195355j:plain

原題 Contratiempo(事故)

Invisible guest (見えない訪問者)

 

【あらすじ】

殺人容疑で起訴された実業家ドリアのもとに、

敏腕弁護人グッドマンが訪ねてくる。

グッドマンはその名に似合わず、やり手の女性弁護士。

二人は3時間後に開始される裁判に勝つため、

反証の準備を始める。

事件の再検証を進めていく二人。

ドリアは不倫相手のローラとの密会中に、

車の事故でダニエルという青年を死なせてしまっていた。

山の中だったため、死体を湖に沈めて隠蔽を図ったものの

ダニエルの父親はドリアを疑って彼の周辺をかぎまわる。

その後、ドリアとローラは山奥のホテルに誘い出され、

二人きりの密室でローラが殺害された。

ドリアが圧倒的に不利な状況にも関わらず、

グッドマンはドリアを無罪にできると言うが……。

 

【感想】★★★★☆

うまく騙されました。

あらすじを読まずに観たのがよかったかも。

本当にハラハラした。

ドリア、ドリアと書いていたらドリア食べたくなった。

 

何を書いてもネタバレになりそうなので、続きは下に。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

グッドマンが殺されるんじゃないかと冷や冷やした。

でも、あと3時間で裁判開始って設定で、本物のグッドマンがドリアの

仕事場に来る時間が遅くない?

アポとってなかったの?

それにしては時間ピッタリだよね。

その前に、夜中に裁判開始ってありえるの?

ピンポーンのチャイムが、「正解!」って感じでよかったけれど。

 

他にも、ダニエルの父親がライターを投げ捨てる場面が

車を沈める場面につながるところがよかった。

 

パタパタと表・裏になっていく過程が面白く、ラストでは

映画「64」を思い出した。

父母の執念がすごい。

 

現実だったら、ドリアがテレビに出た時点でマスコミが

動いて真実を暴き始めそう。

アリジゴクのように落ちていく姿が滑稽でした。

 

やっぱり、悪いことは隠さないほうがいいですね。

コメディとシリアスの間で【映画感想】グッバイ・ゴダール

試写会にて鑑賞。

f:id:fu2uki:20180731172519j:plain

原題 Le Redoutable

 

【あらすじ】

パリの大学で哲学を学ぶ19歳のアンヌ。

天才監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ちて、ゴダールの映画「中国女」の主演を飾り、彼にプロポーズをされる。生まれて初めての経験の連続。そして、アンヌは、パリのデモ活動と彼の人生に巻き込まれていく・・・。

 

 【感想】★★★★☆

ゴダールの映画は観たことがなく、伊坂幸太郎氏の小説で名前だけを知っていた。

「女は女である」のDVDを借りたけれど、時間が足りず、予習ができなかったのが残念。

 

原題の意味を調べてみると「恐ろしい、恐るべき」とのことなので、

「とんでもないやつ」って感じなのかな。

 

アンヌが綺麗でかわいくて、目が離せなかった。

どんな表情も素敵で、またボブに髪を切りたくなる。

似合わないんだからやめとけって。

 

前半はコメディの部分が多く、色彩も綺麗で面白かった。

1968年の5月革命のパリの様子もよくわかったし、

映画の後にお連れ様に色々教えてもらえてとても勉強になった。

 

(備忘録:パリの標語「たゆたえども沈まず」→「波に翻弄されても、沈まない」

ヨーロッパの中心にあるから多くの戦争に巻き込まれてきた。

その為にできた標語らしい)

 

街の壁にフランス語が書かれていたので、つい読んでしまった。

同時にセリフも聞いて字幕も読んだから頭の中がとても忙しくなった。

壁に書かれているフランス語の意味を後で調べたくなった。

ぜんぶ同時に理解できたらよかったのに。


ゴダールは、かなり付き合いにくそうな人として描かれていた。

天才だが、人に自分の考えを伝えるのが苦手な印象。

ホリエモンのよう。

天才は孤独を感じる人が多そうだ。

 

ゴダールの身体もまるっと見られるが、こちらには興味なし。

コメディとシリアスのふり幅が大きく、最後は泣くのを我慢した。

全体的に女性目線の作品だったけど、ゴダールの気持ちもわかって

どちらにも感情移入できるいい映画だった。

(ただ、むだにエロい・・・)

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

旅行から帰る車の雰囲気は最悪で、絶対にあの場にいたくないと思った。

 

「中国女」の記者会見の場面と、ゴダールの手に紙がくっついて離れない場面が

面白かった。

やっぱり「東京」って遠く離れたフランスでは、中国の一部なんだな。

フランスに行った際、よく「ニイハオ」って声をかけられたことを思い出した。

 

最後にゴダールが自殺するのはずるいと思った。

死は暴力だ。

残されたアンヌはたまらないだろう。

助かってよかった。

 

ゴダールについて少し知ることができてよかった。

作品も見てみたいけど、理解できるかどうか・・・。

古いし、なかなか難しそうだけど、チャレンジしてみたい。