シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

これぞSF ! 【映画感想】アナイアレイションー全滅領域ー

NETFLIXで鑑賞。

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原題 ANNIHILATION (全滅・消滅)

 

【あらすじ】

生物学者で元兵士のレナ。

長い間音信不通となっていた夫が、「シマー」の調査から突然帰宅する。

どう話しかけてもぼーっとして、記憶があいまいな夫。

そのうちに夫の容体が急変し、病院に向かうが、軍隊に拉致られる。

二人が連れて来られた施設は、突如現れた謎の空間「シマー」を調べている

場所だった。

近々、女性4人の調査隊が再びそこに向かうことを知ったレナは、同行を志願し

「シマー」に足を踏み入れるが・・・。

 

【感想】★★★★★

最初から謎だらけですごくいい。

場面が切り替わる回数が多かったように思うので、

映画を見慣れない人は少し混乱するかもしれませんが。

 

ナタリー・ポートマン演じるレナは美しいし、シマー内の色彩は

綺麗なものばかり。

時間の流れも生態系もすべて別次元で今までの常識がまったく

通用しません。

 

「シマー」とは、「すべてを反射するプリズム」だそうです。

プリズムは、光を反射する物。

つまり、全てのもの(DNAなど)を反射するものとして描かれています。

 

展開の早さもよくて、先も読めず、ラストもゾクッとする感じで

終わって、サイコー。

怖さと美しさの共生がすごいです。

 

あらすじだけ読んだら、光の速さでNETFLIXに加入して見てください。

シマーだけに。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

シマーに入ってすぐに3日分の記憶がなくなってるとか、

なにその斬新な展開?!って感じでした。

ついていけるギリギリのラインというか、見ている人をおいてけぼりに

しない優しさがありました。

前任のチームが残した手掛かりのシーンのワクワクさが半端ない!

ゲームにありがちな展開ですが、意外と映画ではないような気がします。

 

ヒューマンドラマなシーンもあり、

「人生が上手く行ってる人はここには来ないわ」といった感じのセリフ

(うろ覚え)が印象に残りました。

たしかに、そんな何が起こるかわからないような危険地帯に行くなんて

一種の自殺行為ですもんね。

レナがそこに行く理由は、夫への罪悪感と愛でしょう。

不倫の描写がその場面で生きてきます。

 

ラスボスは、とても不思議な存在でした。

何をしたいのかイマイチわからないところもめちゃくちゃ

気持ち悪い。(褒めてます)

ラストに夫がレナに「君はレナか?」と問いかけて、答えられない

レナ。

あんな体験したら、エイリアンにのっとられてなくても、

精神やアイデンティティが崩壊するよなぁ。

 

印象に残ってるのは、レナが灯台から脱出した後のシーン。

 美しすぎて、REGZA(テレビ)のCMにしたいくらい。

 

クリーチャーもユニークで、人の声を模写するクマなんて

素敵すぎ。

あれで人をおびきよせるんでしょうね。

うまくできてます。

あの生物たちは突然変異なのか、エイリアンが宇宙から連れて来たのか・・・?

全ての謎が解明されないところも、いろんな解釈ができてよかった。

 

こちらのサイトの解説がわかりやすかったです。

eiganotomo.net

キツネとキツネの騙しあい【映画感想】インビジブル・ゲスト 悪魔の証明

同僚に面白かったと聞いてDVDで鑑賞

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原題 Contratiempo(事故)

Invisible guest (見えない訪問者)

 

【あらすじ】

殺人容疑で起訴された実業家ドリアのもとに、

敏腕弁護人グッドマンが訪ねてくる。

グッドマンはその名に似合わず、やり手の女性弁護士。

二人は3時間後に開始される裁判に勝つため、

反証の準備を始める。

事件の再検証を進めていく二人。

ドリアは不倫相手のローラとの密会中に、

車の事故でダニエルという青年を死なせてしまっていた。

山の中だったため、死体を湖に沈めて隠蔽を図ったものの

ダニエルの父親はドリアを疑って彼の周辺をかぎまわる。

その後、ドリアとローラは山奥のホテルに誘い出され、

二人きりの密室でローラが殺害された。

ドリアが圧倒的に不利な状況にも関わらず、

グッドマンはドリアを無罪にできると言うが……。

 

【感想】★★★★☆

うまく騙されました。

あらすじを読まずに観たのがよかったかも。

本当にハラハラした。

ドリア、ドリアと書いていたらドリア食べたくなった。

 

何を書いてもネタバレになりそうなので、続きは下に。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

グッドマンが殺されるんじゃないかと冷や冷やした。

でも、あと3時間で裁判開始って設定で、本物のグッドマンがドリアの

仕事場に来る時間が遅くない?

アポとってなかったの?

それにしては時間ピッタリだよね。

その前に、夜中に裁判開始ってありえるの?

ピンポーンのチャイムが、「正解!」って感じでよかったけれど。

 

他にも、ダニエルの父親がライターを投げ捨てる場面が

車を沈める場面につながるところがよかった。

 

パタパタと表・裏になっていく過程が面白く、ラストでは

映画「64」を思い出した。

父母の執念がすごい。

 

現実だったら、ドリアがテレビに出た時点でマスコミが

動いて真実を暴き始めそう。

アリジゴクのように落ちていく姿が滑稽でした。

 

やっぱり、悪いことは隠さないほうがいいですね。

コメディとシリアスの間で【映画感想】グッバイ・ゴダール

試写会にて鑑賞。

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原題 Le Redoutable

 

【あらすじ】

パリの大学で哲学を学ぶ19歳のアンヌ。

天才監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ちて、ゴダールの映画「中国女」の主演を飾り、彼にプロポーズをされる。生まれて初めての経験の連続。そして、アンヌは、パリのデモ活動と彼の人生に巻き込まれていく・・・。

 

 【感想】★★★★☆

ゴダールの映画は観たことがなく、伊坂幸太郎氏の小説で名前だけを知っていた。

「女は女である」のDVDを借りたけれど、時間が足りず、予習ができなかったのが残念。

 

原題の意味を調べてみると「恐ろしい、恐るべき」とのことなので、

「とんでもないやつ」って感じなのかな。

 

アンヌが綺麗でかわいくて、目が離せなかった。

どんな表情も素敵で、またボブに髪を切りたくなる。

似合わないんだからやめとけって。

 

前半はコメディの部分が多く、色彩も綺麗で面白かった。

1968年の5月革命のパリの様子もよくわかったし、

映画の後にお連れ様に色々教えてもらえてとても勉強になった。

 

(備忘録:パリの標語「たゆたえども沈まず」→「波に翻弄されても、沈まない」

ヨーロッパの中心にあるから多くの戦争に巻き込まれてきた。

その為にできた標語らしい)

 

街の壁にフランス語が書かれていたので、つい読んでしまった。

同時にセリフも聞いて字幕も読んだから頭の中がとても忙しくなった。

壁に書かれているフランス語の意味を後で調べたくなった。

ぜんぶ同時に理解できたらよかったのに。


ゴダールは、かなり付き合いにくそうな人として描かれていた。

天才だが、人に自分の考えを伝えるのが苦手な印象。

ホリエモンのよう。

天才は孤独を感じる人が多そうだ。

 

ゴダールの身体もまるっと見られるが、こちらには興味なし。

コメディとシリアスのふり幅が大きく、最後は泣くのを我慢した。

全体的に女性目線の作品だったけど、ゴダールの気持ちもわかって

どちらにも感情移入できるいい映画だった。

(ただ、むだにエロい・・・)

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

旅行から帰る車の雰囲気は最悪で、絶対にあの場にいたくないと思った。

 

「中国女」の記者会見の場面と、ゴダールの手に紙がくっついて離れない場面が

面白かった。

やっぱり「東京」って遠く離れたフランスでは、中国の一部なんだな。

フランスに行った際、よく「ニイハオ」って声をかけられたことを思い出した。

 

最後にゴダールが自殺するのはずるいと思った。

死は暴力だ。

残されたアンヌはたまらないだろう。

助かってよかった。

 

ゴダールについて少し知ることができてよかった。

作品も見てみたいけど、理解できるかどうか・・・。

古いし、なかなか難しそうだけど、チャレンジしてみたい。

期待値が高すぎた【映画感想】ジュラシック・ワールド 炎の王国

劇場で鑑賞。

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原題 Jurassic World: Fallen Kingdom

 

【あらすじ】

前作に登場した「ジュラシック・ワールド」が

火山の大噴火で恐竜が絶滅の危機に。

オーウェンとクレアは、恐竜たちの救出に

イスラ・ヌブラル島に向かうが、火山にも恐竜

にも襲われヤンヤンする。

彼らは無事に、恐竜たちを救えるのか?!

 

【感想】★★★★☆

ストーリーは前作の方がよかった。

今回は、山場がどこかよくわからない感じ。

あのテーマ曲も、もうちょっと早く

聞きたかったな。

逆に言えば、チョコチョコと

面白いシーンがあり、飽きなかった。

恐竜と火山の噴火や溶岩は視覚的に相性がいいなーとも思った。

 

ジュラシックパーク1を思い出させる

シーンが多く、それはよかったけど、

子供向けではないかも。

メイジーは、文句なしにかわいい。

ただ、オーウェンは無双過ぎ。

 

コロコロとシーンが変わるので、

映画を見慣れない人はちょっと疲れちゃうかも。

とにかく、ちょっと詰め込み過ぎな印象。

でも、次回作も絶対に劇場に行く。

 

だって恐竜たちは、どれも最高だったからね!

 

この先は、ネタバレになってしまうので、

未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、

反転させて読んでください。

 

 

 

メイジーが、館の手動エレベーターに潜り込んで扉を閉めようとするシーンは

なんだか懐かしくなってよかった。

思っていたよりCMのシーンが早く出てきて、びっくり。

あれがクライマックスかと思っていました。

 

最初のシーンは、ロスト・ワールド(だったかな?)の冒頭を思い出させるし、

何回か出て来た裁判所(?)のシーンは、

「あら、イアン・マルコム博士、お久しぶり」って感じ。

 

次回作も出てほしいな。

エビデンス違い 【映画感想】エビデンスー第6地区ー

他のブログから転載。(2016年04月19日)

同タイトルのDVDを間違えて借りて来たけど、なかなか面白かった作品。

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【あらすじ】

若者4人がワンボックスカーで山奥にキャンプに行く話。

ドキュメンタリーを撮るぞ!とビデオカメラを持って行く男がいて、

POVのできあがり。

 

【感想】★★★★☆

若者がカメラを持ってキャンプに行くって言う、これでもか!ってくらいの

セオリー通りの始まり方。

カメラ回しながらキャンプなんてフラグたちまくりで、怖い目に

合わない方がおかしい。

いつの間にか一人ずついなくなっちゃうとか、UFOが飛んでくるだとか、

なぜかゾンビに囲まれるとか、そんな展開にしかならないよね。

映画の世界では、

「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ」のセリフと同レベルの死亡フラグ

 

間違えて借りて来たんだけど、見始めてから30分以上も気付かなかった。

「もっと早く気付くだろ」って、ツッコミが聞こえてきそうだけど、

意外と気付かないものですよ。


例えば、「スターウォーズ」を見ようと思って、「テッド」が再生されたら、

私だってすぐに気づきます。

テッドが、ライトセーバーぶん回してたって気づきますよ。

ライトセーバーが思い出せずに、あやうくライフセーバーって書く

ところだった。人命救助してどうする。)

 

でも、これはここからあらすじに書いてあった展開になるんだなって

思えるような始まり方だったんですよね。


そんな訳で、3分の1くらい見たところで気付いたんですが、

まぁ知らない映画でもなかったし、面白いってレヴューも最近読んだばっかり

だったので、最後まで見ました。

 

序盤はありがちなのに、途中からの展開がすごかった。

もうツッコミが追い付かないほど。

 

詳しく書くとネタバレなので、これ以上はこの後に。

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

文字色を薄くしてあるので読みにくいときは、反転させて読んでください。

 

キャンプをしていると、謎の生物の鳴き声(?)が聞こえてきて、

その時点でとっとと帰ればいいのに、「朝まで待とう」とか、

「荷物置きっぱなしだ」とか言ってるうちに、帰れない状態になってしまう。

その後、謎の生物に追いかけられるうちに、もうなんでもアリだなって展開になる。

「お前だれだよ!」ってツッコミたくなったり、「そっちまで?!」って

びっくりしたり。

前半と後半では同じ映画とは思えないくらいのカオスっぷりがすごかったです。

絶対にこんな状況下におかれたくないって思いました。

 

キャンプに行くときはビデオカメラを持って行ったらダメだし、謎の鳴き声が

聞こえてきたらとっとと帰りましょう。

 

ちなみに観たかったほうの正しいエビデンスはこちら。

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