シネマの前で待ち合わせ

元TSUTAYAスタッフが映画のあらすじや感想を備忘録をかねてつづっています

それでいいのか・・・【映画感想】女は二度決断する

試写会で鑑賞。

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【あらすじ】

主人公のカティヤは、トルコ移民のヌーリと結婚し、ロッコと言う男の子と

幸せに暮らしていた。

しかし、ある日、人種差別のテロに巻き込まれて夫のヌーリとロッコ

失ってしまう。

容疑者が捕まり、裁判が始まるがアリバイ、証拠不十分、目撃証言無効と

なかなか思うように進まず、カティヤの傷ついた心はさらに痛めつけられて

いく・・・。

 

【感想】★☆☆☆☆

フラストレーションがたまるばかりの映画だった。

最初の結婚式のシーンも説明不足で「?????」から始まる。

後でわかってくるけど。

 

もっとテロVS警察のシーンがあるかと思ったが、全くなかった。

警察の捜査が甘すぎるし、裁判の展開もありえない。

 

カティヤの自業自得なところもあるし、ヌーリの母親の発言も

ひどすぎる。

そんなことわざわざ言わなくてもカティヤが一番わかっていて、

自分を責めまくっているだろうに、それをさらに追い込むような

発言をする。

最後も、それでいいのか・・・と思うだけ。

 

私だったら・・・と考えてみたが、その選択をするかもしれないとは

思う。

でも、できることを全部やってからだ。

 

ただ一つ救われる存在だったのが、容疑者の父親。

あの人の存在だけが清涼な空気のように感じられた。

どうしてあの父親から容疑者のような息子ができてしまったのか。

 

ちょっと映画の話からはずれますが・・・。

最近は、少年が殺人以外の犯罪を犯しても「死刑にしろ」と騒ぐ人がいるが、

それはどうだろう?

誰の言葉か忘れてしまったが、「死は暴力だ」

少年にも親や友人がいるだろう。

その人たちの悲しみを考えたら、私はそんなことは言えない。

めずらしく邦題が良い【映画感想】きみがくれた未来

深夜、なんとなくつけていたテレビで始まった映画。

字幕だったので観てみたら・・・。

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原題: Charlie St. Cloud

 

【あらすじ】

ヨットの才能がある主人公のチャーリーは、奨学金で街を出てスタンフォード大学に進もうとしていた。

そんな未来への扉を開こうとしていたときに、弟のサムを友達の家に送る途中で事故にあってしまう。

サムはその事故で亡くなり、責任を感じたチャーリーは、大学も夢もヨットも捨てて弟の墓のある墓地の管理人として日々を過ごしているが・・・。

 

【感想】★★★★★

久しぶりにヒューマンドラマを観て号泣しました。

兄弟愛が美しい。

少し歳の離れた弟をすごく大事にしているチャーリーがとても魅力的。

ただ眉毛がちょっと太すぎ。

映画の見過ぎで、展開が読めてしまったけど、それでもいい映画だった。

どろんこ遊びのシーンがすごく「男兄弟」って感じでよかった。

 

サリバンの話し方がちょっとクセがあっていい感じでした。

誰のお墓なんだろうと思っていたら・・・。

 

邦題の「きみがくれた未来」は、チャーリーの立場だったら「きみ」は

弟かテスですね。どっちでもいいタイトルです。

テスの立場からのタイトルとして、「きみ」=チャーリーとも読めるので、

これはとてもいい邦題ではないでしょうか?

 

この先は、ネタバレになってしまうので、未鑑賞の方はご注意ください。

読むときは、反転させて読んでください。

 

テスが幽霊(実際は生霊)なんじゃないかと疑って観ていたらその通りでした。

だって、「見つけて」って何回もウザいでしょ。

そんなキャラじゃないのに。

 

サムとテスの板挟みだけど、テスを選ぶ船上のシーン。

まだ彼女が生きてたら・・・と思うとそうせざるを得ないですよね。

 

同僚のアリステアの存在も光ります。

私は、彼のことが結構好きになりましたね。

テスを助けに行くときも、グッジョブだし、「今引き返せば、日没に間に合うぞ」

と言う言葉もいい。

チャーリーの良き理解者で、すごくいい奴。

 

サムが成仏するときもいいシーンでした。

振り返って言ったセリフ、「I love you,Charlie 」が泣ける。

そして、テスの居場所を教えるサム。

めちゃくちゃいい子です。

チャーリーがテスを助けた後で、森に行き、サムがもう見えないと知った上で、

「I miss you」という場面もよかった。

父親代わりだったチャーリーは、兄として、父としてサムを見ていたのでしょう。

 

ネタバレタイトルは「怖くないシックスセンス」ですね。

チャーリーの幻覚なのか、本当に霊が見えるのかが最後にわかる。

 

とてもオススメできる作品です。

サイコー!【映画感想】ブレードランナー2049

ずっと観たかったが、160分以上の作品で長いため時間がとれずにいた作品。

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【あらすじ】

新型ブレードランナーのK。彼の任務は旧型のレプリカントを「解任」つまり抹殺

すること。ある日、その任務を受けて逃亡したレプリカントのサッパーを「解任」

するが、彼の庭で箱を発見する。

調べてみると遺骨であり、それはレプリカントのものであった。

死因は、帝王切開によるものと判明し、今までにないレプリカントの出産が明らかに

なった。

Kの上司のジョシはその事実を消そうと、Kに任務を依頼するが・・・。

 

【感想】★★★★★★

かっこいい。何から何まで。ライアン・ゴズリングの演技が最高。

デッカードの雰囲気もあり、セリフが少なめで無口だけど、表情で

何もかもが伝わってくる。

ビジュアルも音もいい。

ストーリーに関しては、もうわかる人だけわかればいいよ。

こんな素晴らしいものが素晴らしいと思えない人がかわいそうになるくらい、

いい作品だった。

前作をちゃんと観ておいてよかった。

Here We Are Again!【映画感想】切り裂き魔ゴーレム

未体験ゾーンの映画たち2018、初体験。

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【あらすじ】

19世紀のロンドン。

脚本家の夫を毒殺したとして裁判にかけられている舞台女優のエリザベス。

拘留中の彼女のもとに年老いた刑事が現れ、彼女の夫が今世の中を騒がせている

切り裂き魔ゴーレムで、それに気づいた妻が毒殺したのではないかと言う。

エリザベスは否認をしつつ、ゴーレムを捕えようとする刑事に少しずつ協力する

ようになっていく。

老刑事は、なんとか彼女を助けようと証拠集めにロンドンを駆け巡るが・・・。

 

【感想】★★★★☆

未体験ゾーンの映画たちをどれでもいいから観たくて、スケジュールが合ったこの

作品を鑑賞。

どれもB級感たっぷりで面白そうだったのですが。

 

ストーリーとか犯人推理よりも当時の衣装とか雰囲気が楽しめる作品でした。

主人公のエリザベスが舞台女優なので衣装もあれこれあって、よかったです。

 

ストーリーも、彼女の幼少期、刑事の捜査、ゴーレムの犯行の様子など

織り交ぜて進むので飽きることなく見られました。

ヒューマントラストシネマで観たのですが、ここは音響が独特で、

後ろから音が聞こえてきたりするので臨場感があり、この映画の世界観に

ハマりやすくなってる。

9時台の回だったけど、結構お客さんがいました。

 

エリザベス役のオリヴィア・クックはこの時代の衣装が似合いますね。

何度か、Here We Are Again!”と言うセリフが、劇団団長のダン・レノと

エリザベスによって叫ばれるのですが、エリザベスが最後にこれを言うときの表情が

彼女のすべての感情を物語っていて、上手い女優さんだなと感心しました。

 

オリヴィア・クック

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Here We Are Again!”は、「再び、おでまし!」と言ったところでしょうか。

なんとなく、「よばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」って訳したく

なる感じでした。

 

ミステリーとしてはそんなにひねりもなかったのですが、彼女やダン・レノの

雰囲気と世界観に★1つで、トータル4つです。

良い意味で華がない【映画感想】15時17分、パリ行き

クリントイーストウッド監督の実話を元にした作品。

filmarks試写会にて鑑賞。

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【あらすじ】

スペンサーと幼馴染のアレク、アンソニーは3人でヨーロッパ旅行を楽しんでいた。

クラブで二日酔いでぐでんぐでんになるまではじけ、バカンスを大いに楽しむ3人。

そして、彼らはアムステルダムからパリに向かおうと列車に乗り込む。同時に

銃弾を大量に持ったテロリストも3人と同じ列車に乗り込むのだった・・・。

 

【感想】★★★☆☆

これから観に行く方にはぜひ知っておいてほしいのですが、3人の幼少期や

青春時代がかなり長く描かれます。それで3人の人となりがよくわかるのですが。

その分、事件自体の描写が少ない。それを知っていたらよかったのですが、

事件の描写がほとんどだと思って観てしまったので、途中、若干退屈してしまい

ました。

とは言っても、彼らの幼少期や軍隊に入るまではそれなりに興味深く観れて、

振り返ると納得のできるものでした。でもでも、旅行に関してはもう少し短くても

よかったんじゃないかと思います。

普通に旅行を楽しんでいたはずが、一転・・・という急に訪れる非日常を演出した

かったのだとは思いますが。

実際、テロが起こってそれを最小限の被害でおさえることができたのなら、

あのくらいの時間で解決しないと無理ですよね。

リーアム・ニーソンのトレイン・ミッション的な、長時間ハラハラドキドキなんて、

やっぱりフィクションならではなんだと思いました。

 

それは置いておくとして、スペンサーの勇気と行動力は本当にすごいですね。

銃を持った犯人に向かって突進なんて、普通に出来た事ではないです。

いくら軍で訓練をつんでいたって、そうそうできないですよ。

そこでも超エリートってわけではなく、どちらかと言うと落ちこぼれ気味だし、

武装していたわけではなく、まったくの丸腰だし。

つっこんでいった直後の出来事は、それに感服した神様がご加護を与えたような

気がして仕方ないです。

 

最後に、3人の演技はとても自然で、そこは流石イーストウッド監督。

なんの違和感もなく、リアリティだけが深まっていました。

良い意味で華がなくて。

ただ、スペンサーの体型はどうしたんだろう?

実際に太って痩せたのか、特殊メイクで太らせたのか、ちょっと気になりました。

後から知ったのですが、撃たれた人も本人が演じていたのだとか。

これもよい意味でクレイジーでいいです。